著者 : 沙月
妖精にまつわる“花嫁の宝飾品”のため、ある館を訪れたローザとアルヴィン。そこにはローザそっくりの娘が描かれた絵画が!さらに館にはローザの瞳に金粉が舞う秘密を知る男ロビンが現れ…?不思議な運命のなかアルヴィンはローザに近づく男を無意識に警戒し、彼女の笑顔に胸がざわめく自分に驚く。一方のローザも、彼が己の身を顧みない様子に心を痛めつつ、健気に寄り添っていた。ふたりの心が変化し、交差するとき。パリュールに秘められた謎は、ローザを渦中に巻き込む事件へと発展していくー。
絶望の淵にいたローザは、美貌の貴公子アルヴィンに救われた。今は聡明な少女として、骨董店で彼を支えている。しかし、アルヴィンがもつ教養や莫大な財産は、彼女にとって謎めいたまま。ある日、ローザは貴族の青年をとっさの機転で助ける。家族に対する想いを語り合い、打ち解ける二人だがー。なんと青年はアルヴィンの兄弟だった。彼こそ伯爵家でのアルヴィンの立場を奪った者だという。アルヴィンが貴族だったことに驚くローザだが、“妖精”にまつわる過去からすれ違い続ける兄弟のために心を砕き…?
身寄りを亡くし、絶望の淵にいた少女ローザ。彼女はある事情で、居場所も母の遺品すらも奪われた。そこに手を差し伸べたのが、美貌の貴公子アルヴィンだったー。ローザは看板娘として、妖精と花のモチーフを蒐集した彼の店に勤めることに。地位と財をもち、一風変わった彼の優しさに触れて、次第にローザは生来の聡明さと凛と美しい佇まいを取り戻していく。一方、アルヴィンが伝承上の妖精に強い関心を寄せる背景にも、秘めた過去と哀しみがあり…?伝承に託された謎が、孤独な二人の魂を救う。西洋風幻想浪漫開幕!
仕事が大好きで有能な百花。でもお家では華やかさは0!コンビニ飯上等、ジャージが普段着。そんな姿で、美青年となった幼馴染と運命的に再会してしまう。彼は薬膳知識でおいしく健康&綺麗になれる料理店を開くという。実は百花のことが愛しくてならない彼から、強引に試食係に抜擢され…。戸惑う百花の気持ちも、絶品料理と薬膳効果で、疲れも未病も、全部まとめて解決!満面の笑顔となって花開く。一方、恋におっくうな百花と彼の距離は縮まりそうで遠くて…!?ふたりに待ち受ける未来とはー。
怪異や難事件の駆け込み寺・薄紅の姫。昼の姿である末席の女房として、中宮崩御のあとは、その娘である内親王付きの女房となっていた。その一方で、夜の姿である薄紅のもとには、晴明の孫・奉親が入り浸っている。さらに彼の紹介で、日中の同僚である右近まで相談に現れてしまう。正体を隠している薄紅だが、書物と恋にまつわる右近の悩みを放っておけず心を砕く。その相談をきっかけに、薄紅は実兄から自分の婚約話に言及されるはめに。読書と友人の恋がかかった婚約という危機に薄紅は…。
怪異や難事件の駆け込み寺・薄紅の姫。中宮を狙う“鬼”の事件を落着させ、その昼の姿である末席の女房として念願の書司となった。一方、静かに読書にふけりたい夜の薄紅の元には、願いに反して親しくなった晴明の孫・奉親が訪ねてきては面倒に巻き込んでいく。そんなある日、彼女は後宮の蔵書破損をきっかけに密命をくだされた。後宮を去ってしまった皇后宮を連れ戻せーと。後宮の祈祷も担う奉親とともに、この難題に挑むことに。物語知識を駆使するものの、皇后宮は断固として拒否し…。
陰陽師たちが畏れる男・賀茂光栄。彼は年齢不詳の美青年で、安倍晴明の師でもある。幼なじみの歌人・藤原為頼や晴明とともに都に平穏を取り戻したものの、次なるあやしき影はすでに“在原業平”を名乗る法師陰陽師としてうごめいていた。光栄は、後の世に三大怨霊と呼ばれる“早良親王”へと手を伸ばす“業平”の企みに気づくが、為頼と天皇の妃・中宮も思いがけない事件に巻き込まれていき…?晴明の歴史に隠れた師匠・光栄の、語られなかった平安秘伝第3弾、これより開宴ー!
平安陰陽師たちが畏れる男、賀茂光栄。年齢不詳の美青年であり、安倍晴明の師でもある。幼なじみの歌人・藤原為頼や晴明とともに、ひとたびは宮廷を覆う菅原道真の怨霊を鎮めてみせた。日常を取り戻したかに見えた都。しかし、平穏は“式部”と名乗る美女の訪問をきっかけに破られる。彼女は怨霊退治に一役買った為頼に、ある亡霊の相談に来たという。その背景には都をさすらう法師陰陽師の存在が見え隠れし…?歴史に隠れた安倍晴明の師匠、光栄が、宮廷最大の危機に挑む平安秘伝第2幕、これより開宴ー!
この平安の陰陽師たちが最も畏れる男・賀茂光栄。安倍晴明の師であり、架空の人物ともされしその正体はー女性とも見間違う年齢不詳の美青年だった。幼なじみの歌人・藤原為頼が光栄の元を訪れると、光栄はたぐいまれな観察眼で訪問の目的を見破る。驚く為頼に光栄は微笑んだ。「このくらい見抜けねば、陰陽師は務まらぬさ」そして為頼から語られたのは、麗しき罠に誘われた青年貴族の話で…。安倍晴明に鬼才と言わしめた陰陽師が、あやしき影と対峙する宮廷絵巻、これより開宴ー!
“裏切りの勇者”。-それが、ルカの師であるエスベルトの呼び名だった。魔物を引き連れ世界へ侵攻する厄災“魔女”。それを討ち倒し世界を救う“勇者”。勇者が魔女を討伐するー何度も繰り返されてきたその歴史は唐突に終わりを迎える。世界を救うはずだった勇者は、世界を脅かす魔女に下り、人類の敵となったー。人々は次なる勇者を求めた。魔女をーそして裏切りの勇者を殺せる“英雄”を。ルカは剣を振るい続ける。師匠を追い、真実を知り、師を奪った魔女を殺すために。これは決して語られざる物語。魔女と勇者と英雄の紡ぐ、この世界最後の英雄譚。