2018年10月15日発売
天神屋の大旦那を捜して“隠世”各地を渡り歩く葵。黄金童子に導かれ、辿り着いた北西・文門の地で、ついに大旦那と再会を果たす。お尋ね者になっているにもかかわらず、大旦那は以前と変わらない様子で、二人は束の間の穏やかな日々をすごす。それでも大旦那が姿を隠した理由、祖父・史郎との関係、そしてーかつて自分を空腹から救ったあやかしの真意を知りたい葵に、大旦那はある提案をするのだった。「お弁当と引き換えに“真実”を一つずつ教えよう」そして葵は、ひとつの答えを見つけ出す。
この平安の陰陽師たちが最も畏れる男・賀茂光栄。安倍晴明の師であり、架空の人物ともされしその正体はー女性とも見間違う年齢不詳の美青年だった。幼なじみの歌人・藤原為頼が光栄の元を訪れると、光栄はたぐいまれな観察眼で訪問の目的を見破る。驚く為頼に光栄は微笑んだ。「このくらい見抜けねば、陰陽師は務まらぬさ」そして為頼から語られたのは、麗しき罠に誘われた青年貴族の話で…。安倍晴明に鬼才と言わしめた陰陽師が、あやしき影と対峙する宮廷絵巻、これより開宴ー!
虚弱体質の療養のため、小学校卒業までを過ごした亡き祖母宅を訪れた嘉月は『思い出帖』という不思議な帖面を持つ三尾の狐のあやかし・仙狐と出会った。仙狐は記憶を喰うあやかしで、喰われた記憶は忘れられ『思い出帖』に描かれるという。親友を思い出せないことに気づいた嘉月は記憶を取り返そうとするが、仙狐が喰うのは「どうしても忘れたい」と願われた“辛い記憶”だけ。嘉月が失った記憶には親友の秘密と仙狐の犠牲が隠されていて…。懐かしさと切なさが胸を締め付ける、あやかし郷愁譚。
身分に関係なく有能な人材を登用し、庚国を発展させた前女帝。その反面、血の粛清は親族にまで及び、それは彼女自身の息子にも向けられた…。生き残った現皇帝・明宗は傀儡と囁かれ、国は前女帝派と明宗の姉・西安公主派に分かれて権力闘争に明け暮れている。しかし明宗は、国を思う熱い心を秘めていた。そんな彼の前に現れた、没落した地方官吏の娘・紅琳。彼女もある野望を胸に、女でありながら身を立てようともがいていた。二人が出逢い偽りを共有した時、国は変革への産声をあげるー!
異動、昇進、出征…小玉の環境は目まぐるしく変化していく。新しい人との出逢い、初恋の人との再会、突然訪れた兄の死ー。そんな中、小玉と文林の関係は上官と副官として、息の合う良好なものに変化していった。しかし、小玉にまたも異動の辞令がくだる。行き先は小玉の実家にも近い僻地。…まごう事なき、左遷。それを聞いた文林は怒り狂って酒をあおり、宥める小玉もまた酒をあおった。そして翌朝ー記憶のないまま二人は同じ寝台で目を覚ましー?
「私を選んでくれるならー大事にしますよ」高校の卒業式の日、異世界に落ちた真。「女神の娘」と呼ばれ、極上の男たちを夫候補にされて困惑していた。そんな中、兄のように接してくれていたサハルに突然求婚される。いつもと違う熱を秘めた彼に、その手を取ろうか迷うけれど、「女神の娘」を嫁に迎えた一族はオアシスを得られることを知って…!?
私、アメリアは侯爵令嬢・ソフィー様に憧れる地味でしがない取り巻きーだった。彼女の婚約者、王太子殿下の密会現場を目撃するまでは!これまでの人生揉め事を避けてきた私だけど、悲しむソフィー様を放っておけない!なりゆきから、ソフィー様の弟・ルーファス様と協力して恋のレッスンを始めたところ、私の周りにも少しずつ変化が訪れて?
私、アメリアは地味で揉め事が苦手な取り巻き令嬢。尊敬するソフィー様のため、彼女の弟・ルーファス様と始めた恋愛指南が功を奏し、婚約者と仲睦まじい様子で一安心!私の方はルーファス様から「アメリアは可愛いと思う」と爆弾発言を受けて、混乱しつつも平穏な日々。だけどある出来事をきっかけに、ソフィー様が婚約解消することになって!?
妖精を魅了する菓子を作る力を得たソフィア。「あまいのだせや」と妖精たちが騒がしい中、伯爵家に招かれるがー相手は10歳のお子様!?しかもまるで天使なルーカス様が突然、高圧的な態度で「僕と結婚するよね、おねーサン?(黒笑)」と脅してきて…!?“とんでも年の差婚”を回避するために、少年伯爵の胃袋と素顔の秘密、掴みます!!!
十三歳の誕生日、赤奏国の皇帝に後宮入りを願い出た莉杏。ところが謁見の間にいたのは、“正規の手段”で帝位を簒奪し、新たな皇帝となった暁月だった!莉杏は「ちょうどいい」と皇后にされるが、一緒に寝始めても湯たんぽ代わりのまるで子供扱い。それでも莉杏が眠れるようにと、暁月は毎夜問題を出してくれて!?夜毎に夫婦の絆が深まる恋物語!