著者 : 甲田学人
鬼才・甲田学人が贈る、悪夢のメルヘン完全版。 泡禍解決の要請を受け、雪乃たちは神狩屋がかつて暮らしていたという海辺の町を訪れた。過去に例をみないほど町中に溢れ出す泡禍の匂いの中、彼らは神狩屋の婚約者だった女性の妹・海部野千恵に出会いーー。 ジョン・デルタ著『マリシャス・テイル』初収録。 序章 人魚の歌 一章 泡沫は君を誘う 二章 童話は夢と巡る 三章 亡者は死を呼ぶ 四章 寡人は屍を語る 五章 災禍は現に浮ぶ 間章 人魚の墓場 間章 人魚の海辺 六章 葬列は再び来る 七章 亡霊は罪を囁く 八章 狂気は呪を叫ぶ 九章 過日は禍を兆す 十章 咎人は海に哭く 終章 人魚の泡
鬼才・甲田学人が贈る、悪夢のメルヘン完全版。 この世界の怪現象は全て、神の見た悪夢の泡である。集合無意識の海から浮かび上がった悪夢の泡は、個人の恐怖と混ざり合い、歪んだ「童話」となって現実世界に溢れ出す。 凄惨な過去を抱え悪夢と戦う時槻雪乃。普通であることが信条の白野蒼衣。二人は〈神の悪夢〉を滅ぼすため、想像を絶する物語を追い、その悲劇を解き明かしてゆく。悪夢が作り出した『灰かぶり』と『ヘンゼルとグレーテル』。その恐怖と結末は。すべての起源に迫る奇書『マリシャス・テイル』初収録の完全版。 灰かぶり 序章 夢と断章の神話 一章 終わりと始まり 二章 傷を持った騎士 三章 灰かぶりの欠片 四章 魔女と魔女の死 五章 葬送そして葬送 六章 終わりの始まり 終章 夢を壊す者の名 ヘンゼルとグレーテル 序章 竈の中のヘンゼル 一章 蒼衣と雪乃 二章 予言と兆し 三章 ヘンゼルとグレーテル 四章 かまどとパン 五章 兆しとしるべ 六章 魔女と魔女 終章 竈の中のグレーテル
知らなかった。わたしたちが、神様の餌だなんて。 助けてください。わたしたちの学校の『かかり』は、いま大変なことになっています……とても理解できないことが起こっています。どうすればいいのか分かりません。 あかね小学校の『ほうかごがかり』から、『かかりのしおり』を作った者に届いた一通のメール。学校中の教室に棲む『無名不思議』と呼ばれる名前のない異常存在を観察し、その正体を記録するために集められた少年少女たちは、一人また一人、その命を『ほうかご』の暗闇に消していく。 三本足の人形、メリーさん……。これは化け物たちに捕食される運命に抗う五十嵐華菜と仲間たちの、生き残りを懸けた戦いの記録。 鬼才・甲田学人が放つ、恐怖と絶望が支配する“真夜中のメルヘン”第2部、開幕。 ★宝島社刊「このライトノベルがすごい! 2025」総合新作部門七位(文庫部門12位) 一話 二話 三話
僕らの手には『それら』と戦う力はない。だけど。 二森啓は思っていたのだ。もう自分は、いつ死んでもいい存在だと。 だがもう、それは叶わなくなったーー。 大事な仲間を立て続けに失い、悲しみと絶望感に覆われた『ほうかごがかり』。そんな時に啓が示した明確な意思をきっかけに、『太郎さん』は隠された事実を明らかにするーー「七人目の『かかり』だよ」 どうやら前年から『かかり』でありながらも、ずっと役割を逃れている人物がいるという。それを知らされた啓たちは……。 「…………ほんとに、あれがやってたことを引き継ぐのか?」 理不尽、そして怒り。追い込まれていく子供たちの、死を決した闘いの記録。鬼才が放つ恐怖と絶望が支配する“真夜中のメルヘン”第3巻。 八話 九話 十話
地獄のような光景が、『ほうかご』に広がるーー。 瀬戸イルマには、勇気がない。 臆病がゆえに『ほうかごがかり』になってから、一度も自分の担当している『無名不思議』がいる部屋に足を踏み入れていないイルマ。 「お願い、『ムラサキカガミ』の絵を描いてください!」 そう彼女から代理で『記録』を頼まれた二森啓が返した答えは、あまりにも思いがけないものだった。それが、完全に自分の命にかかわることとわかっているはずなのにーー。 『ほうかご』を受け入れて協力し合う者たち、臆病で弱くて卑怯な者、自己犠牲的な者。極限状態に置かれた子供たちが見せる強さと弱さ。 鬼才が放つ、恐怖と絶望が支配する“真夜中のメルヘン”第2巻。 五話 六話 七話
よる十二時、ぼくらは『ほうかご』に囚われるーー。 『ほうかごがかり 二森啓』 小学六年生の二森啓はある日、教室の黒板に突如として自分の名前が謎の係名と共に書き込まれているのを目撃する。その日の深夜十二時、自室。学校のチャイムが爆発的に鳴り響き、開いた襖の向こうには暗闇に囲まれた異次元の学校ーー『ほうかご』が広がっていた。 学校中の教室に棲む、『無名不思議』と呼ばれる名前のない異常存在。ほうかごに呼び出された六人の少年少女は、それぞれが担当する化け物を観察しその正体を記録するために集められたのだった。絵が得意な啓は屋上に潜む怪異『まっかっかさん』を捉えるべく筆を手にするが……。 鬼才・甲田学人が放つ、恐怖と絶望が支配する“真夜中のメルヘン”。 序章 一話 二話 三話 四話
神隠しの少女、あやめ。神隠しに遭い、戻ってきた空目恭一。その空目を護ることを誓った村神俊也。呪われた血を持つ木戸野亜紀。愛のために友を裏切った近藤武巳。近藤のことをただ慕う日下部稜子。呪われた土地に立つ聖創学院。異界の到来を望む魔女、十叶詠子…。すべての因果が揃った時、かつて神が棲んだ山から、“それ”がやって来るー。鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作。クライマックス他、最重要シーンを大幅加筆修正の末、堂々完結!
その先に待っているのは、魔女の望む世界なのかー。聖創学院を蝕む、多すぎる種類の怪談。だが、その怪談はある時期から徐々に数を減らし始め、いくつかの特定の噂が囁かれる頻度が、著しく上がっていき…。一方、文芸部との溝が埋まらないままの武巳は、保健室で“魔女の血”を供する儀式を目撃し、詠子の本当の願いを聞いてしまう。「世界を、変えるの。私の見る世界に、そのままになるように」鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作、第12弾。新装版限定書き下ろし掌編付き。
「これを聞いちゃ駄目よ。聞いたらー帰って来られなくなるわ」“どうじさま”はゆっくりと確実に聖創学院を蝕みつづけるー。その状況に抗するべきかつての文芸部の面々はすでに分裂してしまっている。さらに復活した魔術師と魔女宗も動き始め、事態は悪化の一途をたどる。そんな中、文芸部のメンバーたちが真相を探るべく動き出して…。鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作。シリーズの核心に迫る第11弾!新装版限定書き下ろし掌編付き。
「座敷童には、凶事の先触れとして現れるものがある」“どうじさま”の儀式後、木村圭子は毎晩現れる“死肉”の気配に悩まされていた。彼女に這い寄る怪異の解決ができぬまま、文芸部に生じた亀裂は徐々に拡大していく。交錯する思惑、異様な怪異、そして動き出す魔女団。混沌とした学院で“どうじさま”の正体が暴かれるとき、すれ違う文芸部の面々に最大の悲劇が訪れる。鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作、第10弾。新装版限定書き下ろし掌編付き。
「ようこそ、みんな。“ここ”では久し振りだねえ」“魔女”十叶詠子が学院に帰ってきた。異様な雰囲気を醸す“使徒”を引き連れて。その帰還にあわせるように、『異界』の存在が欠けたものを補ってくれるという“儀式”が学院で流行り始める。真相の掴めぬ“儀式”、敵対する“魔女団”の出現により、混乱を極める状況の中、空目恭一ら文芸部の面々の間に微妙な亀裂が入り始めるー。鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作、第9弾、新装版限定書き下ろし掌編付き。
聖創学院高等部の女子寮で、シャワーを浴びていた一人の少女が消えた。学校に伝わるある怪談そのままに。一方、空目恭一ら、文芸部の面々はとある場所に向かっていた。そこにいたのは精神に異常をきたした空目の母親で、彼女を皆に紹介した後、空目は文芸部の面々にある宣言を行うのだった。ついに、羽間にまつわる、おぞましき秘密が明かされていくー。鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作、第8弾。新装版限定書き下ろし掌編付き。
連続失踪事件の元凶と思われる『連作・鏡の中の七不思議』の作者・八純啓が死んだ。そして、行方不明となっていた赤名裕子と大木奈々美の帰還により、事件は全て解決したーかのように思えた。しかし、悪夢は終わらない。再び戻ってきた『連作』、鏡面から現れる手、増える変死体。事件を終わらせまいとする存在の正体と目的とは?文芸部の面々は、合わせ鏡の物語の真実に迫るー。鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作、第7弾。新装版限定書き下ろし掌編付き。
聖創学院大付属高校に訪れた文化祭の季節。文芸部の面々も、会誌の制作に追われる日々を送っていた。そんな中、近藤武巳は驚くべきものを目にする。美術部の特別展示にあやめや空目らがこれまで遭遇した事件とリンクするモチーフが描かれていたのだ。空目たちは、その意図を知るため作者の八純啓のもとへ向かうが、生徒が次々と姿を消す、おぞましき怪異は既に始まっていてー。鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作、第6弾。新装版限定書き下ろし掌編付き。
聖創学院大付属高校で一人の少女が自殺した。その少女の名は雪村月子。彼女は死ぬ前日、“そうじさま”と呼ばれる儀式を行っていた。こっくりさんと同じやり方で行われるその儀式は、学校に棲んでいるという小さな男の子の霊を呼び出すもの。それに参加していた武巳の周囲にも異変が起こり始める。凄惨な怪奇と共に顕れた霊は神隠しにあった空目恭一の弟・想二に酷似していてー。鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作、第5弾。新装版限定書き下ろし掌編付き。
日下部稜子が図書館で借りた本の中に、『禁帯出』のスタンプが押された身に覚えのない一冊が混じっていた。その本の名は『奈良梨取考』。それを代わりに返すと持っていった稜子の姉が不自然な首吊りを行い、命を落とす。突如、起きてしまった不可解な事件。しかし、それは惨劇の始まりでしかなかった。空目たちは、読んでしまった者を“首くくり”へと誘う昔話に巻き込まれていくー。鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作、第3弾。新装版限定書き下ろし掌編付き。
昔話『奈良梨取り』-。そこに秘められた“真実の意味”が多くの人々を首くくりに誘ってきた。そして今、死の連鎖を断ち切るべく魔王陛下こと、空目恭一が動き出す。異端の作家・大迫栄一郎、首くくり、奈良梨取り、この3点にまつわる全ての謎を解き明かしてくれるはずの一冊、『奈良梨取考』を追う空目たち文芸部一同に待ち受けていた驚愕の真実とはー。鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作、第4弾。新装版限定書き下ろし掌編付き。
ー現代にも「呪い」は生きている。ある日、木戸野亜紀に送られてきた1枚の奇妙なFAX。アルファベットと十字架が滅茶苦茶に書き殴られたそれが引き金となり、彼女の周囲に恐ろしき怪異が降りかかる。腐る指先、蛆の湧き出る血液、姿の見えない獣達の追跡、失踪していく生徒達。この呪いの正体とは?果たして空目恭一は亜紀を救うことができるのかー。鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作、第2弾。新装版限定書き下ろし掌編付き。
神隠しーーそれは突如として人を消し去る恐るべき怪異。 学院には関わった者を消し去る少女の噂が広がっていた。 魔王陛下と呼ばれる高校生、空目恭一は自らこの少女に関わり、姿を消してしまう。 空目に対して恋心、憧れ、殺意ーー様々な思いを抱えた者達が彼を取り戻すため動き出す。 複雑に絡み合う彼らに待ち受けるおぞましき結末とは? そして、自ら神隠しに巻き込まれた空目の真の目的とは? 鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作が装いを新たに登場。