著者 : 綾里けいし
「天使」「悪魔」「獣人」「吸血鬼」「人間」。匣庭に住む五種族の関係は、衝撃的な惨劇をもたらした吸血鬼殺人事件によって大いに荒れていた。そんな中、悪魔の代表『魔王』の城へ向かった『聖女』ジェーン・ドゥが失踪する事件が起こる。さらに五種族の代表全員も、同じく姿を消したことが明らかに。天使警察・エルと、気弱な悪魔・イヴのバディは、ジェーン・ドゥの従者リリスと捜査を開始。しかし天使警察本部が、何者かに操られた人間の群衆によって襲撃されてしまう。糾弾をされた、失踪事件を起こした犯人は─「天使警察のエル・フラクティア」。企みと裏切りが交差する匣庭で、物語は何処に向かう?
「私は人が生き抜いた末の『死』が観たい。その果てに、なにが遺るのかを」『死』を学ぶためだけに現世を旅する死神がいる。死神公女フリージア・トルストイ・ドルシュヴィーア。異世界の中でも高位な存在であり、現世の『死』を知りたいと願った彼女は、付き人である少年、“人の死期がわかる”異能を持つ黒朗夏目と、様々な人間の『死』を看取る旅をする。寿命という概念と無縁だから、人間と親しくなったことがないから気付かなかった、抗いようのない一つの事実。彼女がそのことに気付く、その刻までー旅は続く。
バズを目指し日夜動画を投稿する配信者たち。中でも己の歌声で人々を魅了する少女たちは、新時代の歌姫を目指し日々新曲をアップしていた。 その頂点に立つArielという歌姫は社会現象になるほどの人気だが、その実像は謎に包まれていた。 しかしーー。 「Arielが……死んだ?」 歌姫に憧れながらも、視聴するだけでいたごく普通の少女・七音は突然のニュースに目を疑う。しかも彼女が出演するはずだったイベントの代役を探すオーディションも告知され……。 もしかしたら受かるかもしれないし、会場で自分の推しに会えるかも!と軽い気持ちで応募をした七音。 だが、その実態は本当の「生き残り」を賭けた死のオーディションで……。 ーーーー皆様ようこそ、【少女サーカス】へ。 ーーーー生き残った者こそ、次の歌姫です。
ここは匣庭。女王はひとりーー。 天使警察・エルと、気弱な悪魔・イヴのバディは、世界に隠された真実を探るため共に戦いを続けていた。 ある日、最強の種族であるはずの吸血鬼の連続殺害事件が起きているという報せが入った。 どうやら犯人は吸血鬼殺しに特化した人間・狩人。 しかも大昔に吸血鬼との最終戦に臨んだ《最後の狩人》が蘇ったという不穏な言葉が囁かれ……? エルは吸血鬼の姫・ノアへの借りを返すべく、力を貸すことに。 まずはペットのハツネの身を守り、匿って過ごしていたが……。 その最中、ノアの館に狩人の魔の手が迫る! 種族間の問題と吸血“姫”主従の想いを救うため、エルとイヴは争いの渦中へーー。
とある満月の夜。気弱な悪魔・イヴはお腹を満たすために、人間の恐怖心を得ようとしていた。そこに天使警察のエリート・エルが現れる。捕まっても脱獄を繰り返す、イヴを捕らえるべく派遣されたのだ。しかし今回も、イヴは逃げおおせ、エルは必死に追いかける。そこで事態は予想外の方向へー異形の怪物に襲撃されて、ふたりは協力して逃走することに。襲撃を発端とする一連の怪事件を解決するために、ふたりは上司命令でバディを組まされる。互いに嫌がるエルとイヴだったが、孤独な天使と悪魔は捜査を通して絆と信頼を深めていく。やがて事件は他の種族を巻きこんでいき…。世界の真実を探る、少女たちの戦いが始まる。
常世とこの世が完全に繋がって十年ー。幽霊も妖怪も幻獣も精霊も、あらゆる怪異は人間の隣人と化した。人の世は姿をがらりと変え、魑魅魍魎がそこかしこにあらわれて混沌と化していた。無論、妖怪絡みの犯罪は後を絶たず、その解決を生業とする者が出てくることは必然で。『魍魎探偵』そう呼ばれる男は、今宵も助手の美少女とともに妖に関する事件に向かう。依頼人からの手紙にはこうあった。「自分は人魚です。このままでは喰われる。助けてください」と。しかし向かった先の旧家では、人魚はもう一年も前に食べてしまったらしく…。魍魎探偵が騙る、事件の真相とはー?
解き放たれたのは「神様」と呼ばれる超常の存在。暴走を開始したアレは世界を壊せるもの。アレは世界を、人間を、生物を呪っている。そして、その殺意は伝染する。神様の呪いの影響を受けた人間は殺意に取り憑かれ、他者を襲い殺す。混乱した世界はやがて藤花と朔をも呑み込み、破滅へと突き進む。世界を救う道はひとつ、神様を殺すことーつまり「神殺し」。神殺しのためには「藤咲の女たち」が必要であり、特に藤咲藤花は重要な存在なのだという…。「かみさま」になりそこねた少女とその従者の物語は、ここに終演を迎える。
永瀬の地獄から逃げ出した朔と藤花。しかし二人の行く先にはもはや安寧の地などなく、さらなる地獄のしがらみが二人を絡めとる。「神がかりの山査子」に保護されたものの、異能を強めるその特異な眼を狙われる朔。滅びの力をもつ神をその身に下ろそうとする山査子の男と、それを邪魔せんとする少女の間で繰り広げられる「地獄めぐり」。その中で、朔は藤花を危険にさらすものを呼び込む己の眼と運命を呪いはじめる。そして死をいざなう蝶が二人を導く先では、燦然と繰り広げられ続けてきた醜悪な舞台がその幕を下ろそうとしていた。
『無限図書館』に通うレンは、世界を破滅に導く“禁書”を行使するアンネと出会う。彼女と共に学園で事件を起こしていた禁書使いリシェルを倒し、平和な日常を謳歌していた。しかし、そんな平穏も束の間。突如、激しい爆音と共に凶悪な犯罪者が収監される『図書監獄』からの脱獄者たちにより、学園が襲撃されー後に学園の歴史に残る魔導戦争が始まった。それに応戦するべく奔走するレンたちであったが、その過程で自らの過去を解き明かす存在の数々に出会うことにー!?「この先なにがあったとしても、君は私を信じてくれるかい?」切なく、残酷な真実を前に、二人の絆が試されるー!
「かみさま」を失った藤咲からの逃亡生活を続ける、藤花と朔。自らを「不良品」と称す少女を守りながら、朔は今後の行く末に頭を悩ます。そんな二人のもとに、未来視の異能をもつ「永瀬」の遣いー未知留が訪れる。永瀬の擁する「ほんもの」が視た藤花と朔にまつわる幾つかの光景。雪の降る永瀬の邸にて繰り広げられる、未来視を巡った狂気の発露。それは『少女たるもの』になれなかった誰かの、在りし日の恋の残滓。これは、過去に自分を求める少女と現在に自分を認める女の、「想い」が生んだ美しき地獄の物語。
この世界の魔術師は皆、己の中に本と本棚を持ち、そこに記された物語を魔術に変えて行使する。そんな彼らの通う学園、通称『無限図書館』に歴代最低得点で入学した少年レン。彼の持つ本は白紙、ロクな魔術が使えない落ちこぼれだったーにも拘わらず、歴代最高得点の生徒をある方法で圧倒してしまったレンは、アンネと名乗る不思議な少女に目をつけられる。「やるじゃないか、少年!君、私の伴侶になりたまえよ」しかし、そんな彼女と行動を共にしていく中で、レンは知る。彼女の持つ本が、世界を破滅に導く“禁書”であることをー。異端の二人が世界を変える、禁書を巡る学園ファンタジー!
地獄に堕ちた魂を救済するにはどうすればいいのだろうか?罪もなく奈落の底まで堕とされた少女・櫻。その行方を追い、かつて地上へと逃げ出した俊は地獄へ舞い戻ることを決意する。命がけで地獄の王の七番目の子、美しき怠惰の姫・ネロのもとへ行き助力を乞う。しかし、地獄の最下層に送られた亡者の判決は、地獄の王以外には覆せないと聞かされ…。「ならば、俺が王になる!」伝説上の名だたる悪人を「駒」として従え、少年は戦う。悪人同士の熾烈な決闘ー王位継承戦を勝ち抜く、ダークファンタジー。邪神も魔王も重罪人も、どんな「悪」だろうと従えてみせる。すべてはアイツの魂を救うためにー。
藤咲藤花の元に訪れる奇妙な事件の捜査依頼。それは「かみさま」になるはずだった少女にしか解けない、人の業が生み出す猟奇事件。人の姿を持ちながら幽世のものに触れる異能をもつ彼女は、事件の解決に自分の居場所を求めて歩む。そして、その隣には「かみさま」の従者として彼女を守る役目を負うはずだった青年・藤咲朔の姿が常にあった。数奇な運命のもとに生まれーそして本来の役割を失った二人は現世の狂気のなかで互いの存在意義を求め合う。これは、夢現の狭間に揺れる一人の少女と、それを見守る従者の物語。
人類の敵“キヘイ”が世界を蹂躙して幾年。魔導学園・黄昏院を設立し、人々はその脅威に抗戦を続けていた。“逢魔ヶ時”打破を祝う祭りでの“最悪の結末”を回避したコウは“研究科”時代の同級生のアサギリ、イスミと交流をするようになる。平穏な時を過ごすある日、コウはアサギリから告白される。翌日、コウはイスミから驚愕の事実を伝えられるーアサギリが遺跡で行方不明になったと。彼女を探し遺跡を捜索するコウの前に新たな“キヘイ”の王が現れ、コウは“キヘイ”の謎を知ることになるー。最愛の“花嫁”達のために、コウが選択した道とはー?
人類の敵“キヘイ”が世界を蹂躙して幾年。魔導学園・黄昏院を設立し、人々はその脅威に抗戦を続けていた。キヘイと婚姻し、“百鬼夜行”に転科・入隊したカグロコウは、一万五千回の試算の上にキヘイの大進行“逢魔ヶ時”を越える。束の間の日常を謳歌するコウたちの前にー予想だにせぬ転科生が現れる。時を同じくして“逢魔ヶ時”打破記念の祝祭が行われ、コウたちも出し物をすることに。だが、祭りの最中、唐突にコウが殺される。何度も何度も。何度繰り返してもー。さらには“戦闘科”最強の学徒で構成された“傀儡衆”の少女に襲撃されてしまい…?
突如出現した脅威“キヘイ”が世界を蹂躙して幾百年。人類は対抗手段として魔導学園・黄昏院を設立し、日夜戦闘が繰り返されていた。運命の日、魔導研究科所属のカグロ・コウは“キヘイ”の死骸回収のため、とある遺跡に出向き、不運にもその命を散らした…はずだった。“キヘイ”の少女に救われるまではー。「初めまして、愛しき人よー我が名は“白姫”。これより先、私は永遠に貴方と共にあります」物語の中の騎士のように、御伽噺の中の姫のように、目覚めた少女は告げる。それが終わらない地獄の始まりになろうとも知らずー。『異世界拷問姫』の綾里けいしが贈る、希望と絶望が織りなす、感動のダークファンタジー!
魔宴の夜、魔女集会へ生け贄として捧げられたサラは古き魔女エンケル・ヘクセンナハトに拾われる。幸福になれなかった物語を管理する彼女の書架には銀の鎖で封印された“呪われた御話”たちが眠っていた。在るべき結末を迎えなかったお伽噺を幸せな終わりに導くためサラは禁忌を破って独断専行、本の中へと飛び込んだ!物語世界を旅する魔女と少女を待ち受けるのは、幸福な結末か、哀切な運命か、それともー。
「どうか、皆、みーんな、一緒に死んでください」最愛の父・ルイスを失い、“異世界拷問姫”アリスは世界を壊し始める。かつて最愛の従者・瀬名櫂人を失った“拷問姫”エリザベートは世界を守り続ける。それは鏡映し、共にあり得た可能性。それ故に決定的に交わらない二つの道。だから二人の拷問姫は“彼ら”の遺志を継ぎ、各々に世界へと立ち向かう。「どうして、私だけお父様を失うの?「瀬名櫂人」のエリザベートは生きているのに!」「この“拷問姫”が全てを賭けるのだー“異世界拷問姫”が受けずして、どうする?」これが神話に至る物語。綾里けいし×鵜飼沙樹で贈る至高のダークファンタジー、最終巻。
『断罪を止めたくば、代償を、犠牲を、生贄を。我々は結晶化した“狂王”とその花嫁。及び、“拷問姫”エリザベート・レ・ファニュの身柄をお前達の命の代わりに求めよう』各地での殺戮を煽動するアリスとルイスの要求に対し、三種族は救世の英雄を生贄とする決断を下す。「…貴様ら夫婦を相手取る羽目になろうとはな。流石に予想せぬわ」再び世界の敵となったエリザベートの前にはジャンヌとイザベラが立ちはだかり、「さぁー父性愛の勝負といこうじゃないか!」愛娘の道を切り開くためヴラドはルイスを迎え撃つ。綾里けいし×鵜飼沙樹で贈る至高のダークファンタジー第八弾。彼らは戦う。各々の何かを守り抜くために。