著者 : Izumi
暁月が即位して数年経った赤奏国。 美しく成長し皇后としての仕事も卒なくこなすようになった莉杏だが、自分が子どもだった時と比べ暁月の態度が変わったことに悩んでいた。 そこで『陛下にくちづけをしてもらう』ため暁月と恋の駆け引きをすることに!? しかし、暁月にはなにやら考えがあるようでーー。 夜毎に夫婦の絆が深まる恋物語、ついに最終巻!
珀皓月、王公女毒殺疑惑により軟禁ーー杏津帝国からの凶報に、帰りを待つ優蘭は動揺する。皓月たち黎暉大国の外交使節団は、戦争を起こしたい帝国皇弟の愛妾・神美の罠にはまってしまったのだ。このままでは戦争は不可避。後宮妃の管理人でしかない優蘭には、為す術がないかに思われた。 見出された一縷の希望は、かつて優蘭が手助けした充媛・藍珠の存在。彼女が持つ帝国との繋がりを辿り、優蘭たちは帝国への過酷な旅路につく。国の平和を守るため、そして大切な夫・皓月を救い出すための、決死の作戦が始まる! 目次 序章 寵臣夫婦、別離 第一章 妻、旅立ち 第二章 寵臣夫婦、縁故 間章一 悪女は観客席に座り傍観する 第三章 落胤の姫、絶縁 間章二 異国の皇帝は懺悔する 第四章 寵臣夫婦、再会 終章 寵臣夫婦の仕事はこれからも続いていく 番外編 寵臣夫婦は、束の間の平穏を噛み締めて日常へと帰す あとがき
御史台に異動した直後、殺人事件を担当をすることになった茉莉花。 調査により異国の間諜が関係する可能性が浮上するも調査は行き詰まり、さらには雲嵐が襲撃されてしまう! そこで茉莉花は蓮舟に協力を「お願い」して、犯人特定に繋がる脚本を書いてもらい、恋する女性を演じることに! しかし上手く演じられず、珀陽に助言を求めると意外な反応で!?
叉羅国の内乱勃発の危機を防いだのも束の間、バシュルク国とムラッカ国の停戦会談が始まる。 莉杏は両国の仲介役として奔走するも交渉はまったく進まず、ついには両国の間で事件が発生! 新たな戦争の火種になりかねない事態を収めるため、莉杏は『わがまま』を言うことに!? 一方、暁月は莉杏の十四歳の誕生日を祝うため、極秘計画を進めていてーー。
翔景の後任として御史台に異動となった茉莉花は、ひょんなことから指導役である蓮舟(れんしゅう)の秘密を知り嫌われてしまう。 蓮舟の弱みを握った茉莉花は、あえて悪女になりきり仕事で勝負を挑むことに! しかし勝負を通して力を認めてもらうはずが、殺人事件の重要参考人として蓮舟が捕まってしまう。 茉莉花は珀陽の力を借りながら事件を調査するがーー!?
黎暉大国の冬の朝。宮廷に呼び出された優蘭たち寵臣夫婦は、二つの重大事案に直面した。一つは杏津帝国皇弟の娘・魅音の亡命希望。もう一つは後宮妃の藍珠から、同皇弟の愛妾・神美が両国を滅ぼす計画を持つと情報を得たこと。問題はそれらの信憑性だった。 優蘭は藍珠を信じ、唯一の手がかりである指輪の紋章について調べるため、紋章学に詳しい皓月の友人を訪ねて一路、珠麻王国へ。ところがそこは、優蘭を遥かに凌ぐ大商人たちが牛耳る国で!? 緊張状態の大国の裏で蠢く策動。寵臣夫婦を待ち受けるのは……? 目次 序章 寵臣夫婦、呼び出される 第一章 妻、やらかし落ち込む 第二章 寵臣夫婦、国境にて情報を集める 第三章 寵臣夫婦、隣国の旧友と相対する 間章一 双子の妹、跳び回る 第四章 夫、勝負を仕掛ける 第五章 夫、杏津帝国へ旅立つ 間章二 とある悪女の執念 終章 妻、言葉を失う あとがき
まもなく十四歳の誕生日を迎える莉杏は、暁月から「叉羅国で開かれるムラッカ国とバシュルク国の停戦会談に、仲介役として出席する」という大役を任される。 赤奏国の使節団の責任者になった莉杏は、暁月に教えられた『秘密の合言葉』をお守りに叉羅国へ。 道中、ワケあり王子、少女傭兵と奇妙な同行仲間が増える中、叉羅国で内乱勃発の危機が迫り!?
花娘として一躍時の人となった茉莉花に、珀陽はご褒美として運河建設予定地の視察の仕事を与える。 ところが視察先には『夜に通ると呪われる』という噂のある森が……!? 茉莉花は不安を抱えながらも【骨董品盗難事件】【妓楼のねずみ捜し】【仮母の追い出し計画】という視察に関係のない人助けばかりをしてしまうが、そこで監査中の翔景と遭遇し……!?
黎暉大国に初夏が訪れた。健康管理に暑さは天敵。そこで優蘭たち健美省は、皇帝の勅命のもと、妃嬪たちの避暑地行きを催すことに。朗報に沸く後宮だったがーーただ一人、普段は目立たない充媛の藍珠に、何故か避暑地行きを拒まれてしまい!? 一方、優蘭の夫で右丞相の皓月にも、不穏な知らせが届いていた。過去に軋轢がある隣国・杏津帝国の外交使節団がやって来るのだという。しかも優蘭たちが赴く、避暑地の離宮で出迎えることになり!? 因縁燻る避暑地行。外交に後宮、両方の舞台を寵臣夫婦は捌けるか!? 目次 序章 妻、避暑地行きを喜ぶ 一章 妻、重なる問題に思考を停止させる 二章 寵臣夫婦、思わぬ事態の連続に混乱する 三章 妻、自身の選択を後悔する 四章 妻、新たな課題について考える 間章一 とある異国人の追憶 五章 妻、気持ち悪さを覚える 六章 妻、花園のこれからを想う 間章二 夫、推し量る 間章三 とある皇弟の企み 終章 寵臣夫婦、嵐の訪れを予感する あとがき
次々と手柄を立てる茉莉花に見合い話が殺到!珀陽と“秘密の恋”をしている茉莉花としては、珀陽がどう思っているかが気になるところだ。そんななか、珀陽は茉莉花を『白楼国の女の子の憧れの存在』にするため、花市の“花娘”役に抜擢!茉莉花は見合い問題の解決をしつつ、花娘役をこなしながら珀陽からの一石五鳥を狙う無理難題に応えることに!?
ついに新年を迎えることになった赤奏国。だが、大事な宝石の区別がつかなくなったり、国宝の盗難事件が起きたりしてしまう!どちらの原因も『占い』だったため、暁月は莉杏に占い師の調査を任せる。政にも関わる案件を初めて任された莉杏は張り切って調査を始めるが、調べを進めるうち、先々皇帝時代に恨みを持つ者が関与していたことがわかり!?
後に『醜毒の乱』と名付けられる国家転覆の企ては、優蘭と皓月、健美省の活躍で解決に至った。後宮に巣食う黒幕は排され、これで穏やかな春が迎えられるーそんな優蘭の願いも虚しく、新たな波乱が幕を開ける。件の事件の謝罪として、隣国の姫君・桜綾が後宮入りすることになったのだ。この桜綾がとんだワガママ姫で、事あるごとに妃嬪たちと衝突。ついには四夫人の一人・静華に喧嘩を売るという、優蘭が最も恐れていた事態に発展し!?国をも巻き込む新たな試練。渦中の姫に、寵臣夫婦は何を見る?
バシュルク国への潜入捜査中、ムラッカ国の襲撃に遭遇した茉莉花は、絶体絶命の状況を打破すべく珀陽からもらった禁色の小物を使い傭兵団を雇うことに。さらに軍事顧問官であるアシナの信頼が必要となるため、心の動きを読み、その反応を見ながらムラッカ軍攻略への大胆な施策を打ち出していく。茉莉花の的確な指示にアシナは傾倒していきー!?
冬ー赤奏国のかつての皇帝や妃たちがそうしたように、莉杏と暁月も温泉がある『睡蓮宮』へ行幸することに!ところがその前に暁月は側近を集め、この冬の間に解決しろと各々に問題を渡す。そして莉杏には、皇后として『相談される』仕事をしろと告げるのだった。その意味を考えるなか、先の皇帝時代にとんでもない約束をしていたことがわかり!?
破竹の勢いで手柄を立てて茉莉花が、嫉妬という名の“やっかいごと”に巻き込まれないよう珀陽が次に出した課題はー山に囲まれたバシュルク国への潜入捜査!!その首都は難攻不落な要塞都市として知られておりどんな間諜でも手に入れられなかった機密情報を掴むという任務を与えられた茉莉花は、傭兵学校に生徒として潜り込むことになるが!?
賢妃暗殺計画の黒幕は珀優蘭であるーーあらぬ嫌疑をかけられて、捕らえられてしまう優蘭。彼女の無罪を証明するため、皓月は派閥を超えた皇帝直属の調査班を指揮して、真の黒幕をあぶり出そうと宮廷を奔走する。 調査を進めるうちに見えてきたのは、長きにわたり後宮にはびこっていた呪いの真相。そして優蘭を慕う後宮妃たちの想いだった。妻が紡いできた縁に事件解決の糸口を見出した皓月は、とある策を思い付いて……? 寵臣夫婦、後宮に巣食う巨悪との決着の時、来たる!
後宮のお手紙箱に、新たな『謎』が投函された。真相を探るべく河川の街を訪れた莉杏は、異国の青年が“生贄”にされかけていたところを助ける。実はその青年は、叉羅国のヴァルマ家当主ラーナシュだった!莉杏はラーナシュと交流を図りながら、生贄騒動の真実、そして自ら見つけた新しい問題『民が安心を得るための方法』に暁月と共に向き合うが!?
茉莉花の度重なる活躍で、本人の意思に反し白楼国には侵略戦争への機運が高まっていた。 そんななか、大逆罪で囚われていた珀陽の叔父・仁耀が脱獄。 茉莉花の師、子星にまで手引きの容疑がかかる。 かつて仁耀と共謀し、珀陽の命を狙っていた黒槐国が関わっている可能性を考えた珀陽は、茉莉花へ黒槐国に行き仁耀がいるか確かめてほしいと命を出し!?
四夫人の悩みに皇帝の無茶振りと、共に難題を乗り越えてきた優蘭と皓月。政略上の夫婦関係も、少しは進展したかに思えるこの頃。年納めの会議に向けて大忙しのさなかに、賢妃・明貴に仕える女官が毒殺未遂にあってしまう。調査に乗り出す健美省一同。時を同じくして、優蘭は一つの噂を耳にする。『蕭麗月は、先代皇帝が残した公主である』。それ、うちの女装夫なんですけど!?突拍子もない噂に、けれど皓月は何やら思い悩んでいてー。陰謀に揺れる寵臣夫婦。この危機を、優蘭はどう乗り越える!?