出版社 : 主婦の友社
平凡なサラリーマンのタナカは、トラックに轢かれそうになっていた猫を間一髪のところで助ける。その時、タナカの目の前に転生界から女神・アマレッタが現れ、こう告げた。「貴方は死にましたので、異世界へと転生する機会を与えます」。タナカは、テレビのドッキリ企画と思って相手にしない。だが、アマレッタはタナカのアパートに押しかけ、タナカが転生しなければ異世界が大変なことになると言う。さらに、タナカを転生させないと、担当女神である自身が元の世界に帰れずに困るとも。タナカは彼女を中二病と決め付けて門前払いをするのだがー。
高校生の夢前智也はある日突然、同級生の九重優ら4人と異世界・アルフィスに召喚されてしまう。智也達を呼び出したのは、人族が暮らす東大陸の大国フレアロード王国。国王フレッドが智也達にこう告げた。「魔王を討伐してほしい」魔王は東大陸に攻め込んでくる魔族達の頂点に君臨するという。そんな大物を先ほどまで普通の高校生だった智也達に討伐できるのか?この異世界では召喚された者には神より強力な恩恵ーーステータスが与えられる。優たちのステータスには例外なく100を超える数字が連なり、さらには強力なスキルまでも与えられていた。ただ、智也のステータスは全て00。スキル欄にも「オール00」と書かれている。神からの恩恵を与えられていないと、智也は魔王討伐のパーティから外されてしまうのだがーーーー。
無事ローレンタリアから脱出し、ロレンシアに入った亮。同じ異世界人である勇者デビット・ジ・ローセンと遭遇する。人の話を聞かない勇者に仲間意識は木っ端微塵に砕け散る。相対することになったが、和解は成立し、亮は予定通りに事を進める。扱いがどんどん雑になってくるソーセキを連れ、身を隠し力を蓄える亮。そこで新たにペットとなるスライムと出会う。可能性を感じた亮は自分のスキルオーブを与え、「ライム」と名付けた。そして、巻き込まれかけた陰謀を黙殺して酒池肉林を目指すのだった。
大学生の秋山平太は突如非日常に放り込まれる。瞬きするとそこは見覚えのない暗い部屋。目の前にいるのは見知らぬ老人、言葉の通じない人々。現状を理解できない平太が、一人の少女に手をひかれて外へ出ると、見たこともない街並みが広がっていた。「小神エラメーラ」と名乗った少女の話から平太は現状を知る。誘拐も同然に異世界へ連れてこられたのだ。怒りを抱きながらも、エラメーラになだめられたこともあり、平太はこの世界で過ごすことを受け入れるのだがー。やがて多くの人と出会い、多くの事件に遭遇する平太の異世界譚が始まろうとしていた。
里樹妃との一件が片付いたのもつかの間、猫猫の元に高順が厄介ごとを持ってやってくる。どんな用事かと言えば、猫猫に女官試験を受けないかというものだった。猫猫は、半ば強制的に試験を受ける羽目になる。新しく医官専属の女官となった猫猫の前に現れるのは、面倒くさい変人軍師に厳しい上司の医官たち、それと同僚たる同じ女官たちだがーー。猫猫は同僚たちにお約束の通り嫌がらせを受ける。特に、女官の首領である姚(ヤオ)は猫猫に対して突っかかってくるのだった。
アラムサースを出てセントラルに到着したライエル一行。ミランダとシャノンの実家であるサークライ家に招待された。屋敷で当主ーー二人の父親であるラルフ・サークライと面会する。だが、ライエルが言われたのは娘を置いていって欲しいという願いだった。父親として、ライエルのような男に娘を預けておけないというラルフ。それを認めないミランダと喧嘩になりそうな中、現れたのはーー【リオネル・ウォルト】。宮廷貴族ウォルト家ーー同じ一族の男子だった。初代バジル・ウォルトが独立してから伯爵家にまで上り詰めた領主貴族であるウォルト家は、元を辿れば宮廷貴族の出身である。当然、王都セントラルには宮廷貴族であるウォルト家が残っている。サークライ家の次女と恋仲であるリオネル。ミランダとシャノンを抱えてしまったライエル。年齢も近く、そして同じ青髪青目と似ている二人なのだがーーー。
手違いで異世界に召喚された現代の噺家、楽々亭一福。異世界落語を演じてサイトピアで多大な人気と流行を生み出しているが、全てが好意的に受け取られるとは限らない。魔族を登場人物にした噺で、逆風に晒されてしまう事も。また、一福の高座の妨害を企てる吟遊詩人のセイ=ホウ、隠れ里より遣わされた魔法使い見習いのナナセなど、一福の芸に懐疑の念を抱く者達も現れる。批判に晒され、落語の真価が問われるがー。そして、その裏で糸を引き、暗躍する魔族の手が、一福に忍び寄る。
冒険者レベル2となったハクトールたち。しかし、ミーナの顔はどこか晴れなかった。そんな彼女の様子を気にしながらもハクトールたちは更にダンジョンの奥深くへと潜っていく。目に見えない場所から襲いかかってくる魔物を退治し終えた後、ダンジョンを出てくるとミーナの婚約者候補を名乗る男、ミハエル・イクドラングが現れた。ミーナの婚約者を決めるためのトーナメントが開かれるのだ。より有能な人物を取り込むために参加資格はレベル3以上の冒険者。「冒険者を続けていくつもりだったのにそれを許してくれる人はまだ婚約者候補にいない…」。ミーナのつぶやきを聞いたハクトールが言う。「よし、それなら僕もその婚約者候補になれるよう頑張るよ」。
反乱軍を迎え討つため、かつての敵の砦ウルタで過ごすカズキ。双子の弟であるユアンからは相変わらず嫌われていたが、兄のユリンから、ユアンの女嫌いの理由と二人の過去を聞く。自分達を売った母親を自分はもう捨てたが、ユアンはずっと母親から受けた傷を抱え続けている。そんなユアンの傷を癒してほしいと願うユリンに、カズキは自分にできることは必ずすると約束する。一方、ウルタ砦に姿を現した反乱軍が用意していた兵器に、皆は見慣れぬせいか怪訝な表情をするばかり。だが、カズキは悲鳴を上げてしまう。それは爆弾、そして大砲だったのだ。
妊娠中の女王アウラに『治癒術士』を呼ぶため、再び双王国へ『瞬間移動』する善治郎。さらに、フレア姫も長期航行を補助する魔道具を求め、双王国へやってくる。双王国に到着した善治郎を最初に待っていたのは、フランチェスコ王子だった。カープァ王国で作製された『ビー玉』を渡され、驚愕するフランチェスコ王子。だが、同時にフランチェスコ王子も、ある構想を打ち明け、善治郎を驚愕させた。その後、聖白宮でのベネディクト法王との面談は問題なく終わり、約束通り『治癒術士』であるイザベッラ王女がカープァ王国に来ることが決定。数日後、フレア姫と一緒に善治郎は、魔道具購入の交渉に赴くのだが…。
観光目的で入国したガルゲン帝国。目指すは帝都ガルゲニア。旅路の最後の休息地として立ち寄ったファムテームで、太一たちは四人のエルフに出会う。エルフたちは、この地で頻発する地震を止めるためにやってきて、太一たちにその手助けをしてほしいと依頼をしてきた。地震の原因は、なんと……。
「湖の貴婦人」によって、精霊の湖に辿り着いたレオノーラとビアンカ。神聖な森を踏み荒らした学生に怒りを抱いていると思ったビアンカはなんとか詫びて、湖の貴婦人の怒りをとこうとする。古代エランド語が得意ではないビアンカは、レオノーラに通訳を頼み、湖の貴婦人に慈悲を乞う。しかし守銭奴レオノーラは、この機会に陣ビジネスの契約を取り付けようと思っていた。ビアンカの謝罪を超解釈し、勝手に取り引きを持ちかけるレオノーラ。対する湖の精霊は「湖の洗礼」と称し、二人を再び水に呑み込んでしまう。駆けつけた聖騎士グスタフによってビアンカは救出されるが、レオノーラは既に湖の底、精霊の領域へと沈んでしまっていてーー。
村人の少年フォンシエは、カヤラ領を乗っ取っていた死霊の魔王を打ち倒し、幼馴染みの勇者の少女フィーリティアと平穏な日々を過ごしていた。ある日、カヤラ領の北では魔物がたくさん出るという噂があると、兵団に所属するアートスから伝えられる。自分の活躍の場もあるかもしれない、とフォンシエは仲間のシーナやミルカとともに向かう。相変わらずの賑やかな日々の中で、フォンシエには悩みもあった。村人だから、と共同体に加入するのを避けていたため、明確な役割も存在せず、自分にできることはなんなのか、考えずにはいられなかった。力を得てきたとはいえ、村人は勇者にはなれないのだった。
迷宮三十三階。そこは階層主たる六つ首の魔物ヒュドラーが待つフロア。本来、訪れた冒険者にとっての試練となるはずのヒュドラーは、謎の男によってあっさり首を斬り落とされ、人知れず蹂躙されていた。最後に飛ばされた首は、何故か少女の形を取り、その場に残された。やがて目を覚ました少女は「英雄の種を探す」という記憶を頼りに、迷宮を彷徨い始める。一方、リルドールはコロネル、ヒィーコとともに順調に迷宮を攻略していた。縦ロールを武器として動かす魔法を使いこなし、強敵を薙ぎ倒していく。三人が迷宮を探索していると、道中で一人の少女と出会う。服はボロボロ、そしてコロネルに抱きつくように駆け寄ってきた少女を見て悪漢に襲われたに違いないと、三人は正義感に燃える。ひとまず少女を保護することに決めたのだがーー。
竜が空を舞い、その横をジャンボジェットが通り過ぎる。列車は空を飛び、車は魔法で動く。そこは科学と魔法が融合した世界。一人の大学生が、一人の少女を救おうとあがいていた。大学生の名は植木信。「魔装具」を作る職人だ。信はその魔装具を使って寝たきりの友人を救おうとしていた。ただ、子供の頃から何年も研究を続けているが、成果は出ない。植物状態の友人は、どんどん容態が悪化していく。このままだと、何もできずに死なせてしまう。病院で新型の魔装具を試すが、うまくいかない。今日もだめかとため息をついて、信はいつものアルバイトに向かう。魔装具づくりにはお金がかかる。少しでも稼ぎが必要だった。アルバイトを終えて家に帰る時、信はダンボールが捨てられているのを見つける。その中に入っていたのは頭にフサフサのタンポポが生えた、緑色のスライムだったーーーー。
アーニャは成績はトップクラスで学校中の憧れの的であり、将来有望な少女である。しかし彼女にはどうしても敵わないライバルがいた。幼馴染のジーク。彼とアーニャは7歳の学習塾からの付き合いだった。冬の寒い日に入塾してきたジークをアーニャは冷たくあしらうが、テストで自分より良い点数を取られ、悔しがって大声をあげる。それからというもの、アーニャはジークに何度も勝負を挑むようになる。待ち伏せをしたり、追い回したり、睨んだり、からかったり、宣戦布告したり。そうやって彼女と彼は長い時間を一緒に過ごす様になるのだが……。
アステリアとマリウスの結婚。それはホルディア王国の慶事であり、マリウス達にとっても一つの区切りだった。新婚旅行の提案が出るが、そこで意外な事実が判明する。アステリアは遊興に疎かったのだ。せっかくの機会だし、アステリアに民の暮らしを見せ、人々の楽しみについて教えようと思いつく。マリウス達が行く先で見たのは、彼が守った人々の日常、アステリアがこれから守っていくべきものだった。人々のささやかな日常こそ、得がたき宝なのだと彼らは改めて認識する。
ロクサーヌに因縁をつけてきた女性の親族を返り討ちにしたミチオたち。返り討ちにしたその決闘がハルツ公爵領騎士団長ゴスター立会いの下で行われたため、ミチオはハルツ公爵からの呼び出しに怯えることになる。一方で、ミチオたちに敗れ有力な戦士を失った親族一家から流出したとおぼしき装備品を手に入れることで、パーティーの装備を拡充していった。同じ時期にエプロンも作らせたが、手持ちのお金は減ってしまったので、ミチオは近づいてきたオークションに向けて迷宮探索を金策重視に振り替える。ハルツ公爵からの呼び出しを無事に切り抜けられたのか?そして、新たな奴隷を落札することにーーーー。
魔王ダストの最後の魔術が発動した。光と共に最後の攻撃を敢行するコフィン軍、セパルカ軍、あまたの亡者達生者達に、魔王ラヤケルスの遺物。世界を燃やした暴虐の神が、勇者ヒルノアが遺した最悪の巨竜が、やがてその姿を崩され、地に倒れかけた時ー。マリエラの体内から、一抹の災いの種、呪いが、音もなく芽吹いた。魔の力の反動、魔術に手を染めた者に必ず訪れる『報い』が、終局に近づいた戦場に新たな禍々しい色を添える。一変する戦況、敵と味方が入れ替わり、世界により絶対的な脅威が君臨する。持てる戦力を限界まで振りしぼってきた人類の前に立ちはだかる、最後の敵とは一体…。