出版社 : 主婦の友社
ある学園にリズという少女がいた。リズは成績優秀で品行方正、心優しく、誰もが憧れ尊敬する人物だった。ある日、リズが通う学園に、魔王軍との戦いで負った傷を癒やすために勇者一行が編入することになった。出迎えたリズは勇者に思わず見とれてしまい、気がつくとこう言っていた。「パンツくださいっ…!」リズにはとある秘密があった。彼女はかつて、勇者の仲間の一人だったのだ。しかし、強大な敵と戦った際に記憶も力も失ってしまい、何もかも忘れて普通の少女として学園生活を送っていた。リズの失った力ーそれは、色欲の淫魔サキュバスの力だった。自分がサキュバスであることを忘れて清楚な少女になった彼女は、己のエッチで変態な衝動に葛藤する。「違います!私はエッチな子じゃありませんっ!」サキュバス少女が繰り広げる大波乱が今、幕を開ける!
暴走した終焉樹フィーネスを打ち倒し、不要となった終焉樹の核を手に入れたトモヤ。何をしても壊れないほどに硬い核ならば、トモヤの武器として耐えうるかもしれないと考え、一行はリーネの知人の鍛冶師に加工してもらうために北大陸を改めて目指す。その道中、ユミリアンテ公国にて、北大陸行きの船が出発するまで観光することになる。水着姿のリーネとルナに癒されつつ海辺での遊びを満喫していると、突如魔物が現れ、平和な海水浴場は一転して恐怖に包まれてしまう。自分たちの実力ならばたいした敵ではないとトモヤは思ったのだが、なぜかリーネはその魔物を怖がっているようでー。
学園祭を無事に終えたアスラは、久しぶりに白いウサギの夢を見る。「このままだとあなたー死んでしまうわ」不吉な忠告だけ残して消えたウサギに戸惑いつつも、つかの間の平和な時間を過ごしていると、王都で開催される精霊祭の話を耳にする。精霊祭では怪盗ノームミストの犯行を警戒して警備することになり、アスラたちは警備隊員としてパトロールすることになる。さらに今年は、まだレオナルドたちと暮らしていた頃に参加した『魔剣武祭』も開催されるらしく、エアスリル魔法学園の生徒としてそれにも参加することになった。面倒くさがるアスラだったが、ゼミールから今年は『ウサギ』が参加するという話を聞かされー。
炎神の呪いが解けたミューレリアは意識を取り戻したが、炎神の焔の影響で、記憶を失ってしまっていた。友人を救いたいラサラは、体に埋め込まれた結晶を取り除けないかと縋るのだが、医師から現代の技術では不可能だと告げられてしまう。しかし同時に、不可能を可能にする闇医者の存在を教えてもらう。早速その闇医者に会いに行こうとするアルト達の前に立ちはだかったのは、一連の事件の黒幕、ボルドだった。婚約者としてミューレリアの身柄を押さえようとするボルドに対抗し、ラサラはオークションの準備と称して、敵陣であるクロフォード家への逗留を申し出るのだったー。
ソフィアを盟主としたバールクス王国解放戦争は無事に勝利に終わった。いよいよ間近に迫った魔王との最終決戦に向けて作戦を練っていると、精霊コロナから、地底に未知の力が存在しているという報告を受ける。その力によって大陸が滅びることを危惧したルオンは、コロナの力を借りて地底の力の正体を確かめることにしたのだが、そこで不思議な人影を発見する。その人影はルオン達の前に姿を現すと、自らを「賢者」と名乗った。驚くルオン達に賢者が語ったのは、この世界の真実。ルオンがゲームの世界に転生した本当の理由だったー。
暴動を起こしかけたウ・ヨーリ教徒を見た王家は、リョウの影響力を利用するために、ヘンリー王子の婚約者となるように命令した。魔法使い以外の人間を人間とも思わないゲス王子との婚約に不安を抱いたリョウだったが、家畜扱いが逆に幸いして貞操の危機を脱することに。そしてリョウは、婚約者としての立場を使って、たくましく活動し始める。国政に口が出せるように評議会入りを目指すのだが、非魔法使いの立場は微妙なもので、もどかしい日々を送る。そんな中、とうとうヘンリーとの婚約式の日が訪れる。美しいドレスで着飾り民衆の前に立つと、集まった人々は歓喜の声をあげて大騒ぎ。その様子を見て、やはり家畜だと見下すヘンリーに、彼らも同じ人間なのだと諭すのだがー。
冥界竜との戦闘で魔力を使い果たしたアルは一時昏睡状態に陥っていたが、なんとか意識を取り戻した。サティエラとカイスルたちのパーティー、そしてフュウと共に、戦いで傷ついた体を癒すことに専念する。やがて戦後の処理をしながら完全回復したアルは、孤児院を訪問した際に、シスターからアルの父親が残していった手紙を受け取る。そこに書かれていたのは、もしも自分がいなくなっていたら水面下で進めていたことの後を継いでほしいということ、そしてこの世界を旅して見て回ってほしいという内容だった。手紙を読んだアルは、カイスルたちと共にレーベンの街を旅立っていくのだがー。
アルトゥーリア城に囚われたアーリウスを助けるため、「傭兵」としてのタブーを破り、革命を起こしたガングレイブ傭兵団。シュリは周囲の惨状を見て、自分がガングレイブを焚きつけたせいだと自責するが、いつまでも足手まといでいられないと、炊き出しをして革命兵の英気を養うことに専念する。リルは盗まれた資料を取り戻すために魔工研究所に向かい、ガングレイブは王城を目指して一直線に突き進む。それぞれが己の役割を果たしていき、遂にガングレイブは遂に王城に辿り着く。しかし、フリュードが待つであろう謁見の間に踏み込むと、そこにはアルトゥーリア王が血まみれで倒れていてーー。
使節団としてランレオ王国に滞在することになったマリウスたち。魔法に興味津々なバーラは、「マリウスに弟子入りしたい」と衝撃的な提案をする。マリウスは一国の王女が他国の人間に弟子入りできるのかと悩むが、予想に反してランレオ国王はバーラの弟子入りを認め、マリウスとバーラは弟子入りの儀を行った。マジックアイテムの共同開発や、転移魔法の報酬などを取り決めつつ、息抜きにランレオ王都を観光して、他国での時間を過ごしていく。しかしある日、アネットが何かが目覚めたような気配を察知したと言いー。
ボーンソニア王国の王位継承争いに決着をつけたヒカルは、王都の衛星都市ボーンドに戻っていた。騒動の最中に、ヒカルが「シルバーフェイス」であると気づいたギルドマスターのウンケンは、ある意味命の恩人のヒカルのために、修業と称して持てる技術の全てを教え、恩返しとした。そしてその修業の「卒業試験」としてヒカルに課せられたのは、ダンジョンにて実践を積むことだった。一方、ジルアーテもまた、アインビスト連合の盟主ゲルハルトからとある「試験」を伝えられる。それは聖ビオス教導国にあるダンジョン『魔錠の迷宮』に存在する水の精霊魔法石を取ってくるというもの。成功すれば水が貴重なアインビストでは大きな利益となり、ジルアーテの実力を知らしめることができる。偶然か運命か、ヒカルとジルアーテは再び同じダンジョンに集うことになりー。
アバンシア迷宮を攻略したルードは街の管理に追われていた。迷宮の発見で急激に人が増えたアバンシアの街では、冒険者たちが滞在する環境が整っておらず、あちこちでトラブルが起きてしまっていた。そんな中、ルードをさらに悩ませていたのは守護者マリウスの存在だった。なぜか仲間として加わったマリウスは、ルードに迷宮の管理を手伝ってほしいと言い、毎日のようにクランハウスに押しかけてくる。代わりにクランの運営を手伝ってもらうことで話をつけ、迷宮の管理部屋に行くと、そこではなんと迷宮の魔物を作り出せるようでー。
ドゥゼ村の秘密を解き明かし、村に結界を張り直したエルザ。今後はラグの木だけではなくきちんとした食事がとれるようにと、村の改革を進めていく。変わっていく生活に不安を抱いたイルクと衝突したり、不思議な猫と遭遇したりとトラブルもあるものの、いつかお店を開くという夢のため、エルザはスレイマンに協力してもらいながら猪突猛進に料理を作っていく。そんなある日、長寿種の人たちが、結界を張った聖女に会うために村にやってきた。話を聞くと、かつて泥に呑み込まれてしまった土地を取り戻したいと言う。自分にできるのならば協力しようと、エルザはスレイマンとバーニャとともに、ドゥゼ村を発つのだがー。
闇の精霊シェイドに衝撃的な話を聞かされた太一は、残りのエレメンタルとの契約を進めようと決める。そんな折、シルフィとミィから「水の大精霊ウンディーネがSOSを出している」と聞かされ、一行は北の国・シカトリス皇国へと向かう。皇国に到着して宿をとった直後、空気を震わす凄まじい轟音と、衝撃が走る。すぐに現場に向かった太一が見たのは、三つ首の竜と、長大な蛇のような竜が、魔力の波動を輝かせて激しくぶつかり合う光景だった。街への被害を食い止めた太一は、報告のために国王イルージアと面会する。そこでイルージアが太一に告げたのは、暴れる竜を鎮めてほしいという依頼だった。
銀翼騎士団長のフェリクスは、幻影魔導師のシルルカと騎士見習いの少女リタとともに、大精霊を狙う謎の魔人たちを追って、王都の北東の町・風の大精霊が住むシルフ精霊域へと向かうことになる。精霊と対話するために、花の精霊の末裔「花精人」のキララを加え、一行は山頂の町に辿り着く。天空に浮かぶ精霊殿は、結婚式などの祝い事の際にしか立ち入れないらしく、参列者として紛れ込もうとするのだがー。
おじいちゃんの石窯の向こうはブーランジェリー松尾のオーブンの中だった。鬼の操る暗闇の獣から逃れ、サトコは母、そしてマーロウと再会する。皆の安否が気になって仕方ないサトコを母はそっとたしなめる。だからといって、このままになんかできやしない。サトコが向かった先は竜巻山。そこにいたのは石窯ではぐれたコズサ姫と、大魔法使いハーロウだった。マーロウの実兄であり、姫を子どもに変えた“悪の魔法使い”だ。見守るサトコの前で『あの日あの夜』の出来事が語られる。ハーロウが姫に魔法をかけたその理由、それを解くための鍵。敵か味方か判然としない魔法使いに、コズサ姫は要求をつきつけるのだがー。