制作・出演 : アントニオ・パッパーノ
アンスネス2度目の録音となる第3番を含めラフマニノフ全曲録音が完成。5年ぶりに果たされたパッパーノとの共演、入念なスタジオ録音、と条件も整えば、その出来栄えも想像されようが、実際はそれをも凌駕して美音極まる。サポートするLSOの秀逸さにHQディスク仕様も加わって、音質面でも好盤。★
制作・出演
アニヤ・ハルテロス / アントニオ・パッパーノ / アンドレス・マスペロ / ソニア・ガナッシ / ルネ・パーペ / ロランド・ヴィラゾン / ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー合唱団 / ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団宗教的であるよりもオペラ的という作品自体の特質を、いやが上にも知らされる。このメンバーによる演奏なら、さもありなんというところだ。静と動、沈潜と激情の振幅を大きくとりながら、熱く壮大に歌い上げている。ソリスト陣も同様だ。ライヴ録音。
このシューベルトの最後の作品をもって、彼のシューベルト録音も一段落だろうか。低音でも艶を失わない美声によって歌われてきたシューベルト歌曲の数々は、どれもが後世に伝えたいもの。今回もドラマティックに歌い上げることで陰影の深い世界を作り上げていて見事だ。
1976年から始まった竹宮恵子の音楽漫画『変奏曲』の復刊に伴って企画されたコンピレーション・アルバム。チャイコフスキーやベートーヴェンの親しみやすい作品を中心に収録している。
シュテンメのEMI専属第1弾。組合わせがやや変則的だが、内容は悪くない。さらにキメの細かさや表情の豊かさも望まれるが、その力強く翳りのある歌唱は一聴の価値あり。パッパーノの伴奏も「サロメ」の集中力、「最後の歌」での柔らかな響きなど聴きどころあり。
パッパーノの快進撃が続く。インテリっぽい印象は与えないが、最善の意味での“音楽バカ”である。オペラで鍛えた劇的な表現力と、細心にして大胆なオケのコントロールが、実に胸のすく演奏を展開する。珍しい「夕暮れ」という小品付きの2枚組。★
ショスタコーヴィチ(1906〜75)生誕100年記念リリース。若くしてすでに風格ある演奏を聴かせる実力派、ハンナ・チャン。彼女が尊敬する師ロストロポーヴィチが初演したチェロ協奏曲第1番をとり上げ、渾身の演奏を展開している。