制作・出演 : エレファントカシマシ
エレファントカシマシの日比谷野音ライヴ20周年を記念して、宮本浩次の選曲・監修によってレーベル別にリリースされるベスト盤。本作はPONY CANYON篇で、その在籍時からセレクト&リマスタリングされた楽曲を収録する。
18枚目のアルバム。亀田誠治やYANAGIMANによるストリングスを使ったゴージャスなアレンジと、蔦谷好位置のエレクトロ的サウンドとが混在し、一本調子にならずバランスの取れた仕上がり。宮本浩次は相変わらずパワフルだが、いい意味での軽さもあり、懐の深さも感じさせる。
“再出発”という意味のタイトルがつけられたエレカシ17枚目となるアルバム。宮本浩次にとっての音楽は変わらないし、変えられないのだが、目をつぶったまま全力疾走するような、あえてのアンバランスさが後退し、漲る想いがよりまっすぐに伝わる作品に。
シンプルなアンサンブルに力強い詞。ここ最近のなかでは独特の“エレカシ臭”を特に感じさせてくれる作品に仕上がっている。何よりも“バンド・サウンド”が前面に出た迷いのない練りこみ具合が、いやでもリスナーを触発する。まさに再スタートを予感させる一枚だ。
圧倒的なスケールを感じる今作は、前作からわずか6ヵ月でのリリース。宮本の強烈なメッセージ性のある詞の上に添えられたサウンドは、激情任せの一片押しにあらず。吹き抜ける風のようにしなやかで力強いロックに変貌を遂げ、聴く者の心に優しく響く。
『俺の道』からわずか8ヵ月という時間が、作品に吹き荒れる瞬間風速を強さを示している14作目。魂を消尽するかのような宮本浩次の烈しさは、プリミティヴなリズムとシンプルに鋼を響かせているギターをガソリンに、歌と言葉を燃やしまくっている。
非常に静かなトーンに覆われた、エレカシのニュー・アルバム。前作『good morning』では炸裂する自我を歌った彼らだが、本作ではもう少し視界を広げ、自分たちを取り巻く日常をなぞっている。宮本の突き放したようでいて、その実温かいヴォーカルも良い。