制作・出演 : カサンドラ・ウィルソン
現代屈指のディーヴァがキャリア初期に発表したスタンダード集。マルグリュー・ミラーを始めとするサポート陣も最高のプレイを聴かせる。 1. シャル・ウィ・ダンス 2. ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス 3. 彼の顔に馴れてきた 4. 時さえ忘れて 5. ジー・ベイビー・エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー 6. アイム・オールド・ファッションド 7. スウィート・ロレイン 8. マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ 9. オータム・ノクターン 10. ブルー・スカイ 【パーソネル】 カサンドラ・ウィルソン(vo) マルグリュー・ミラー(p) ロニー・プラキシコ(b) テリ・リン・キャリントン(ds) ★1988年2月4&5日、ニューヨークにて録音
ジャズ・シンガーとして独自の道を歩むカサンドラ・ウィルソンのアルバム。彼女は温故知新をモットーに最新のジャズ・ヴォーカルをクリエイトする。その好例が冒頭を飾ったスタンダードだ。彼女の歌も抜群なら、実力派を集めた伴奏陣による演奏も素晴らしい。
「恋人よ我に帰れ」「黒いオルフェ」「キャラヴァン」などスタンダード12曲を歌っている作品。スタンダード作品としては88年の『ブルー・スカイ』以来のもの。リズムに工夫を凝らし、曲によってはギター1本をバックに歌うなど、さすがという個性的なアプローチ。
カサンドラ自身だけでなく、名門、ブルーノートの近年のコンテンポラリー化を印象づける一枚である。ルーツ系の才人、T.ボーン・バーネットがプロデュース。エレクトロニックなビートを取り入れながらも、彼女の泥臭いフィーリングが強い輝きを放つ。
スティングの(1)やルーサー・イングラムで有名な(4)などのカヴァーを含む最新作。アーシーな味わいの故郷ミシシッピでの録音と、洗練されたNY録音という2つのタイプの楽曲が楽しめるが、どちらにも彼女らしさが横溢しているところがすごい。
ブルーノートでブレイクする前のJMT〜Bamboo時代(86年〜92年)のベスト盤。スタンダード・ソング集『ブルー・スカイ』をはじめ、スタンダードのカヴァーが収録されている。カサンドラの解釈とアプローチは、この時期から非常に独創的で完成されている。