制作・出演 : カーメン・マクレエ
女性ジャズ・シンガーの最高峰が10年前にドイツのビッグバンドと共演した未発表盤。迫力ある声だが、温かい包容力もあり、近くで歌っているみたいだ。バラードではやさしく、スキャットではやさしく、スキャットでは楽しい音をバンドも演奏している。
なんとこの大名盤が初CD化とは。だが待った甲斐あってか、これまたなんと11曲の未発表曲が追加されているというのだからすごい。リラックスした雰囲気で、カーメンの堂々たるヴォーカルをじっくりと聴きたい。ヴォリューム満点の全38曲。
カーメン・マクレエのアトランティックでの3作目の初CD化だが、67年に録音された2曲(13)(14)がボーナス・トラックとして追加されている。幅広くスタンダードに取り組み絶賛された本作はその後の彼女の方向性を示している。代表作である(1)は是非聴くべし。
カーメンとベティという、ジャズ・ヴォーカル界を代表する2大シンガーが競演した87年のライヴ盤に、未発表曲を3曲追加してのCD化。彼女たちの歌唱は、ピアノ・トリオのみの伴奏で歌っても、会場全体を包み込むような大きなパワーを感じさせる。
ジャズ・シンガーがコンテンポラリーな音楽にチャレンジするのは今や常識だか、78年録音のこのアルバムはその先駆けである。しかも作曲者を何人もフィーチュアした上で、最高のオーケストラをつけるという、今じゃ夢のような豪華な2枚組。
彼女がいわゆるマクレー節を確立したのがデッカ時代(55〜58年)なら、それに続くキャップ時代(58〜60年)は最初のピークを迎えた時期といえる。このアルバムはキャップに残した3枚のうちの1枚で、彼女の生き生きとしたヴォーカルが十分に楽しめる傑作。
名手カーメンの初期作品。が、若き日の歌唱とは言っても直感するのは初々しさではなく、落ち着き払ったアプローチとメロディ表現の上手さだ。ビッグ・バンドをバックに既に強烈な存在感が横溢。今ほど歌がデフォルメされない所も彼女の本質が聴け楽しい。