制作・出演 : カーメン・マクレエ
カーメンとベティという、ジャズ・ヴォーカル界を代表する2大シンガーが競演した87年のライヴ盤に、未発表曲を3曲追加してのCD化。彼女たちの歌唱は、ピアノ・トリオのみの伴奏で歌っても、会場全体を包み込むような大きなパワーを感じさせる。
ジャズ・シンガーがコンテンポラリーな音楽にチャレンジするのは今や常識だか、78年録音のこのアルバムはその先駆けである。しかも作曲者を何人もフィーチュアした上で、最高のオーケストラをつけるという、今じゃ夢のような豪華な2枚組。
彼女がいわゆるマクレー節を確立したのがデッカ時代(55〜58年)なら、それに続くキャップ時代(58〜60年)は最初のピークを迎えた時期といえる。このアルバムはキャップに残した3枚のうちの1枚で、彼女の生き生きとしたヴォーカルが十分に楽しめる傑作。
名手カーメンの初期作品。が、若き日の歌唱とは言っても直感するのは初々しさではなく、落ち着き払ったアプローチとメロディ表現の上手さだ。ビッグ・バンドをバックに既に強烈な存在感が横溢。今ほど歌がデフォルメされない所も彼女の本質が聴け楽しい。
50年代のカーメンを代表する秀作。その確かな歌唱力と叙情性には、女性歌手の第一人者としての存在を確信させるものが十分ある。伴奏もレイ・ブライアント・トリオで、落ち着いた雰囲気を醸し出す。3曲で彼女の弾き語りも楽しめる滋味溢れるアルバム。
カーメン・マクレーの50年代のデッカ盤。チコ・ハミルトン・グループ出身のチェロ奏者フレッド・カッツがアレンジを担当し、そのタイトル通り、クールでかなり先進的なサウンドにのって、カーメンがサラリとスタンダードを歌っている。
大物ジャズ歌手カーメン・マクレエ、69〜71年の録音。LP未発表の貴重盤だ。曲目はビートルズ・ナンバー3曲をはじめこの時代のポップ・チューンを取り上げている。お馴染みのナンバーを確かなテクニックで料理した彼女ならではの世界だ。
94年に惜しまれつつこの世を去った黒人ジャズ・シンガー、カーメン・マクレエが68年にLAのホテルでライヴ録音した幻の名作。なんとLP未収録の9曲((16)〜(24))を追加、全24曲の得用盤だ。彼女のライヴ作は傑作が多く、本作もその1枚。揺るぎのない歌唱力が素晴らしい。
ベニー・カーター、オリバー・ネルソン、ショーティー・ロジャースほか4人の名手が編曲指揮。カーメンの魅力をあらゆる角度から掘り下げた、アトランティック時代の豪華作品。4ビートに限らず、あらゆる楽想を手中に収めた、カーメンの力唱が見事だ。