制作・出演 : シベリウス
グリーグの小品もそうだが、シベリウスの作品も演奏会でアンコール演奏されるとその良さに感服することが多い。つまり、多くの人は喰わず嫌いなだけなのである。このセットは傘下のレーベルから個々の演奏を引っぱり出してきてまとめたもので、録音年や演奏の傾向にばらつきはあるものの、価格も考慮すれば記念の年にはふさわしい。ヤルヴィやマリナーらのソツのなさは知られているが、ヤラスの指揮したものが独特の風味があって印象的だった。録音データがおおざっぱなのは仕方ないにしても、取り出す際のことを考慮してディスク番号はもっと大きく印刷してほしい。
発売元
ユニバーサルミュージックシベリウス没後50年を記念したベスト盤。フィンランドの第2の国歌と言われる「フィンランディア」をはじめ、シベリウスの代表作や珍しいピアノ・ソナタを収録するなど、シベリウスを多角的に紹介している。
フィンランドの国民的作曲家、シベリウスのベスト盤。人気曲の「フィンランディア」はもちろん、交響曲や協奏曲から小品まで聴きどころを厳選チョイス。簡潔で美しいシベリウス・サウンドに酔いしれたい。
サージェントがウィーン・フィルを振った、珍しい録音(「ポホヨラの娘」はBBC響)。1960年前後の録音だが、すんなり聴きやすい音で収録されている。なかなかに雄大でダイナミックな演奏を繰り広げており、BBCとの熱演も光る。
ベルリン響の首席指揮者時代の最後期の録音。シベリウスの“渋い”演奏として、典型的なひとつ。堅実で堂々とした中にも、洗練された響きが聴ける魅力的な演奏。シベリウスの代表的な録音として価値あるものだ。
シベリウスは2度目、シューマンは最初の録音のもの。どちらもきわめて刺激的な演奏で、いまだにそのスリリングな演奏は色あせていない。ムーティとの異色の取り合わせも緊張感を増す結果となった。
いまや世界最高の指揮者と称えられるヤンソンス。個性の異なるオケを率いても確実にハイ・レベルな響きを引き出すテクニック。ここでもバイエルン放送響の能力をフルに発揮させ、ダイナミックな演奏に仕上げている。彼が多くのオケに信頼される理由がよく分かる。
ヤルヴィ2度目の全集。ほの暗く淡い色彩のシベリウスではなく、輪郭をむしろ明確に描き、濃い色彩、力強く前向きな要素を全面に出した演奏である。たとえば、難解と言われる第4番などは、良い意味でわかりやすい音楽に変わっている。第3番も非常に生き生きとしているが、場違いにならないのは指揮者、オーケストラともどもシベリウスの響きが染みついているからであろう。第2番も非常に流麗で明るい演奏。特にシベリウスの交響曲が苦手の人には試してみる価値はありそうだ。年代等ばらつきはあるが、音質は均質。