制作・出演 : シュターツカペレ・ドレスデン
ブロムシュテットの美質が十分に表出された演奏として、ベートーヴェン交響曲全集の中でも特に評価の高い一枚。ふくよかな響きを持つオーケストラの特長を引き出して、爽やかなスケール感を演出している。
ブロムシュテットの初となる「英雄」。シュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者に就任して、1年目の録音だ。きわめてオーソドックスで端正な演奏に確かな安定が感じられ、オーケストラの響きもドイツの伝統的な響きを聴かせている。
オーストリア生まれで、指揮をC.クラウスに支持するスウィートナーの、本領発揮ともいうべきウインナワルツ集。ことさら旋律を磨き上げたりはしていないが、楽しげに指揮をしているさまが伝わってくる。
ケンペの死の4ヵ月ほど前の録音。古巣のシュターツカペレ・ドレスデンを指揮しての、近代作品2作を取り上げている。誠実で手堅い、ケンペならではの演奏が印象的。特にブリテンが美しい。
演奏も選曲も渋くて通好みというイメージのある“ドイツ・シャルプラッテン”レーベル。だが、内容のある充実した演奏が多く、クラシックを素直な気持ちで楽しみたい人にはうってつけ。ディッタースドルフとフランセを加えた選曲は、ハープの魅力を聴かせる心憎いもの。
スウィトナー、懐かしい名前だ。旧東ドイツのゆっくりした時間の流れに培われた、素朴で暖かく、純白なモーツァルト。斬新さに欠けると言われるかもしれないが、歴史の流れから言えば、この演奏の方が古楽器よりもモーツァルト時代の様式に近いのではないか。
スウィトナーが残したモーツァルトの、最良の録音のひとつ。刺激的であることが優れた演奏と思われている風潮の対極にある演奏で、古典的な均整美や滑らかな響き、穏やかなテンポ感などが織り成す、香り豊かなモーツァルト。
制作・出演
アルフレード・トルスクドルフ / オトマール・スウィトナー / カール・シュッテ / ギュンター・シャフラッシュ / シュターツカペレ・ドレスデン / モーツァルト / ユッタ・ツォフ / ヨハネス・ワルター発売元
キングレコード株式会社ある意味懐かしさを感じさせる演奏解釈とそのサウンドの蘇りであり、録音芸術の観点からは大歓迎の企画。当時の東独が置かれていた経済的・政治的状況までもが仔細に聴き取れる不思議さは秀逸であり、現状のCDフォーマットの懐の深さも実感される。
発売元
キングレコード株式会社ハイパー・マスタリングによって蘇ったのは美しい音だけでなく、音楽を愛する魂でもあった。緩徐楽章でゆったりめに取られたテンポが絶妙で、モーツァルトの世界にたっぷりと浸れる。楽員によるソロは、オーケストラと自然な流れを作り出して、幸せな時間をくれる。
レーグナー&シュターツカペレ・ドレスデンの70年代の録音。この「ハンガリー舞曲集」は、速めのテンポですすめられ、ハンガリーやジプシーの民族色はほとんど感じられない。その純音楽的解釈は旧・東ドイツらしいといえるだろう。