制作・出演 : ダニエル・バレンボイム
細部まで玲瓏克明にピアノを響かせることに終生こだわりぬいたミケランジェリ。老齢に至り、肉体が及ばぬ際には時に音楽のノリをそぐことも厭わず透徹する。その孤高の音の姿を捉えた80年代未発表録音。シューマンはまさにぎりぎり、ドビュッシーは無二の絶品だ。
メータにザイフェルトにバレンボイムにベルリン・フィルハーモニー。何とまあ豪華キャストの2枚組だろう。難しいこと言いっこなし。それぞれの名手たちが繰り広げる、豪華絢爛・高カロリー・超絶技巧の一大エンタテインメントの数々を、とくとお楽しみあれ。
20代後半から病のため一線から退かざるを得なくなった、デュ・プレの20代前半の情熱的ではつらつとした演奏を収めた作品。彼女の生気あふれる演奏は、強烈に聴く者を惹きつける魅力に満ちている。
世界遺産を使っての大イベント。大きくない編成のウィーン・フィルが大観衆に負けじと頑張っている姿が目に浮かぶ。熱気に煽られたせいか荒っぽいところもあるけれど、それもライヴの醍醐味。テーマの“夜”は熱く盛り上がったようだ。珍しい版での「はげ山〜」が新鮮。
パールマンの2度目の録音となるブラームス。一点の曇りもない明瞭なヴァイオリンと堂々としたバレンボイムの指揮とが相まって、スケールが大きく明朗なブラームス像が浮かび上がっている。多くが楽しめる演奏だ。
ガーシュウィンとバーンスタインは97年の録音だが初リリース。バレンボイムのドラマティックな指揮とシカゴ響のにぎやかなノリのコンビネーションが楽しい。後半に彼らのお得意の「ダフニス」や「トリスタン」(ともに90年代前半の録音)も収める。
バレンボイムの弾き振りによる全集からの抜粋盤。当時、弾き振りの全集としては画期的なもので、まだ30代のバレンボイムの、ロマンティックではつらつとした演奏が、この幸喜の作品にピタリと合っている。
バレンボイムは弾き振りで2度モーツァルトのピアノ協奏曲全集を完成させているが、これは最初の時のもの。はつらつとした若さあふれる指揮とピアノは、時代を経ても新鮮に響いてくる。一聴に価する一枚。
“ニューイヤー”は、バレンボイムは意外にも初めてだそうだ。それにハイドンの没後200年を記念して「告別交響曲」の第4楽章が初めて取り上げられた。ほかにも初登場の曲が2曲入って、初ものづくしでおめでたい。演奏も決めのポーズが決まっていて、とにかく格好いい。
バレンボイムの弾き振りで聴くベートーヴェンのピアノ協奏曲全集。過去、ピアニストとして1度、指揮者として1度録音しているが、今回は両方を兼ねての3度目の録音。BPOとの絶妙な共演は、聴きごたえ十分だ。
バレンボイムは、モーツァルトが書いた全15曲の変奏曲を録音しているが、本作はその中からの抜粋盤。モーツァルトの熟達した変奏の技の魅力を十全に引き出した仕上がりだ。
新しいクラシックの聴き方を提案した“イマージュ・クラシーク”シリーズ。第5弾となる本作は、初期ロマン派の作曲家、シューベルトの作品集。オーケストラ曲から歌曲まで、シューベルトの魅力的なメロディが満載だ。
“癒し”をコンセプトに、ジャンル/作曲家別にクラシック音楽を集めたシリーズのモーツァルト編。休日の朝や就寝前など、安らぎとくつろぎが欲しいひと時にぴったりの作品となっている。