制作・出演 : バーミンガム市交響楽団
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2&4番ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2&4番
ルガンスキーは若々しいパワーを存分に発揮しつつも、単にガンガン叩いてなるものかという彼自身の厳しさもひしひしと聴き手に伝える。オラモもそれに同調し、甘さを控えめにした、大人の味を展開している。第2番も良いが、第4番がいっそう良いかもしれない。
マーラー:交響曲第8番 千人の交響曲マーラー:交響曲第8番 千人の交響曲
制作・出演
クリスティーヌ・ブリューワー / サイモン・ラトル / ソイレ・イソコスキ / トロント児童合唱団 / バーミンガム市交響合唱団 / バーミンガム市交響楽団 / バーミンガム市交響楽団ユース・コーラス / マーラー / ロンドン交響合唱団マーラー:交響曲第8番 千人の交響曲マーラー:交響曲第8番 千人の交響曲
大言壮語や誇大妄想の代表みたいな曲だけれど、ラトルの手にかかると様相が一変。もちろんこの編成ならではの迫力にも事欠かぬが、それよりこの曲にこんな繊細で美しい場面があったのかと気付かせることの方が多い。これでラトルのマーラー全集が完結。
ジョン・フォウルズ:管弦楽作品集ジョン・フォウルズ:管弦楽作品集
イギリス近代の音楽というと、どこか過激先端を避けて音の肌触りを独り楽しむ風情があるのだが、20世紀初頭を生きたフォウルズの音楽は時代と角逐する鮮烈な響きの意匠があって清新。インド音楽やケルト音楽を取り込んだ作品など、今を先駆けしているようだ。
シベリウス:交響曲第6&7番/タピオラシベリウス:交響曲第6&7番/タピオラ
交響曲全集の完結編。清冽な泉のような第6番と余分な贅肉をそぎ落とした第7番に対して、オラモは十分にエネルギッシュでありながら、緻密に練り上げた注目すべきアプローチを展開。ただし、その若さのゆえにか、初期のナンバーほどの大成功は収めていない。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番&第3番ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番&第3番
エラートで出た3枚はいずれもソロだったが、今回は協奏曲。若々しく輝かしく、流麗でしなやか、指を鍵盤上で動かすのが楽しくてしょうがないといった風情である。けれども、決して浮つかない。伴奏もきっちりと引き締まった、清新な響きが心地よい。