制作・出演 : ブラームス
ホルスト・シュタインが首席指揮者(96年以降は終身名誉指揮者)を務めたバンベルク響と残したブラームスの交響曲全集。シュタインのゆったりとしたテンポと微妙なニュアンス。バンベルク響の素朴な音色。まさに“本場のブラームス”というべきか。
シュタインが得意としていたドイツ・ロマン派の王道、ブラームスの交響曲全集からの一枚。シュタイン70歳記念で発売された作品の久しぶりの再発となった。バンベルク響とのコンビで披露された、ドイツの伝統に根ざした堂々としたブラームスだ。
たっぷりとした響きで沸々と内に向かうロマンに浸るブラ4ではない。各声部がくっきりと明快、鋭敏に動く。相互の関係性がきわめて明瞭に腑に落ちるその音の姿が過激なまでに斬新である。発止と敏捷に響きが立つ3楽章。エモーション直截な4楽章。音楽が熱い。
ロマン派の交響曲を、現代的・古楽的な考察及び奏法両者を取捨選択して演奏する、しかもそれを小編成で行なうという、まさに昨今ならではの意欲的な試み。重厚長大・濃厚な情緒・暗欝な印象を与えてきたこれまでのブラームス像は、軽く澄明な響きと明快な細部、そして鮮やかな運動性と確かな形式感を備えたものに一変。でも考えてみれば、ブラームスはロマン的古典主義者。こうした方法論がふさわしいことは言うまでもない。番号が下るにつれ、コンセプト優先の演奏が次第に自由でのびやかになっていく過程も面白い。
ハイティンクの80歳記念企画として完成させた、ブラームス交響曲全集からの一枚。ハイティンク晩年を飾る名盤として記憶しておくべきシリーズだ。BSOに余分な振りを付けることなく、ブラームスの魅力を十二分に引き出している。
パールマンの2度目の録音となるブラームス。一点の曇りもない明瞭なヴァイオリンと堂々としたバレンボイムの指揮とが相まって、スケールが大きく明朗なブラームス像が浮かび上がっている。多くが楽しめる演奏だ。
制作・出演
アグネス・ギーベル / アンドレ・シャルレ / エルネスト・アンセルメ / スイス・ロマンド放送合唱団 / スイス・ロマンド管弦楽団 / ブラームス / ヘルマン・プライ / ヘレン・ワッツ / ローザンヌ・プロ・アルテ合唱団制作・出演
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 / ウィーン楽友協会合唱団 / ジョゼ・ヴァン・ダム / バーバラ・ヘンドリックス / ブラームス / ヘルベルト・フォン・カラヤン / ルドルフ・ショルツフォーレ四重奏団のブラームスは、しなやかで粘り腰。テンションは総じて高く、弓を押し付けるようなボウイングが産み出す厚みとパワーのある響きが、感情の激昂を描出する際の圧倒的なスケールと馬力の源泉となっている。意思統一の徹底ぶりも常設団体ならでは。★
最高の音で楽しむために!