制作・出演 : ブルックナー
2010年読響の首席指揮者退任後、桂冠指揮者の称号を得て初めて行なったコンサートのライヴ録音。読響との第7番は、映像が出ているがCDは初めて。圧倒的な名演で話題をさらった第8番同様の感動が襲う。
ドイツ音楽を得意としたテンシュットと、彼とは最も縁が深く相性の良かったロンドン・フィルによるブルックナーの交響曲をHQCD化。スケールの大きな第8番を雄大に、そして緻密に聴かせる。
スウィトナーがブルックナー指揮者としての名声を確立したのはドイツ・シャルプラッテンに録音した5曲があったから。その1、4、5、7、8番の5曲を本シリーズで一挙にリリース。実に透明、かつ整然とした美演がここに。
スウィトナーによるブラックナー交響曲全曲録音は、86年の8番にはじまり、1年1曲のペースで1、4、7、5番まで進んだところで病気により中断。しかし、9番以外の名曲が録れたのは幸いだった。録音はベルリン・キリスト教会で、残響が美しいのが特徴。
ヴァントの峻厳な緻密さとは対極的なイメージの強いスウィトナーの演奏。素朴でのどかで微笑むようなブルックナーである。柔らかい響きで熱く盛り上がってくるところはまさに快感。
旋律は歌い、ドラマティックなところは最高に盛り上げる、肩肘張らずに聴いていて楽しいブルックナーを存分に堪能できる一枚。ブルックナー初心者の入門編としてもおすすめだ。
ブルックナー好きなら見過ごすことのできないスウィトナーの「第1」。シュターツカペレ・ベルリンとのコンビネーションは最高で、曲のおもしろさをしっかりと伝えてくれる名演だ。
2010年3月25日の読響定期のライヴ録音。翌日の演奏は全曲ではないがTV放送されている。名演として絶賛された演奏を、CDで聴けるのはありがたいことだ。演奏はいささかの弛緩もなく、最後まで続く。必要なことだけを徹底してやるスクロヴァチェフスキの真骨頂がここにある。★
制作・出演
AnnaHeygster / FriederNockur / GabrielaIjac / KeikoKakuma=Hulverscheidt / LiviuMarianNeagu-Gruber / RudolfAndreasHeber / ブルックナー / ヴッパータール交響楽団 / 上岡敏之発売元
日本コロムビア株式会社2007年の来日直前のライヴ録音で、来日記念盤として発売されたものの再発盤。90分余もかけた超スロー・テンポのブルックナーで、賛否両論の大きな反響を呼んだ。聴き進むうちに説得力を増す快演である。
インバルがテルデックに残した、高い評価を得たブルックナーの全集。響きの透明度が高く、その緻密な演奏はブルックナー演奏に一石を投じた。インバルらしい細部へのこだわりは、ファンには興味深いだろう。