制作・出演 : ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ブラームス48歳時の充実期の傑作で、第1番よりはるかに洗練度が増している。ポリーニとアバドは、さらに洗練させ、澄明で透明感あふれるブラームスを創出。隅々にまで光を当てた明るいブラームスが堪能できる。
ブラームスは、ムター18歳の時の録音。ゆったりと落ち着いたテンポに乗せて、ムターは伸び伸びと、その持てる力を十分に出している。若き俊才が集った、溌剌(はつらつ)としたベートーヴェンも秀逸。
ブラームスの最初の大作でもある作品で、ピアノ付交響曲といった趣のある一曲。ポリーニとアバドのコンビは、必要以上に重厚にならず、青春の息吹に富んだ清涼感あるブラームス像を作り上げている。
制作・出演
シカゴ交響合唱団 / シカゴ交響楽団 / ジェイムズ・レヴァイン / ジュディス・ブレーゲン / フローレンス・クイヴァー / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / マーガレット・ヒリス / メンデルスゾーンベルリン・フィルの優れた機能をフルに引き出して、メンデルスゾーンの清新なロマンティシズムを余すところなく表出した演奏が味わえる。レヴァインならではの豊かなカンタービレが横溢した、気持ちのいいメンデルスゾーンだ。
カラヤン唯一のサン=サーンスが、交響曲第3番というのもカラヤンらしいと言える。オルガンはノートルダム寺院での別録りで、録音も含めたカラヤンの絶妙なコントロールが隅々にまでいき届いた名演だ。
最新のART(アビー・ロード・テクノロジー)によるリマスタリングで蘇るEMIの名盤。カラヤン&ベルリン・フィルによる豊麗で雄弁なワーグナー管弦楽曲集。ワーグナーの官能美を堪能する。
2007年のジルヴェスターコンサート。「展覧会の絵」は、ソロ楽器の見事さはいうまでもないが、全体としては手作りの温かさが感じられる。絵の中のキャラクターが動き出すような生命感に満ちている。ボロディンの第2番も躍動的で引き締まった演奏。
制作・出演
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 / ウィーン国立歌劇場合唱団 / キャスリーン・バトル / サミュエル・レイミー / チャイコフスキー / フレデリカ・フォン・シュターデ / ヘルベルト・フォン・カラヤン / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / ミラノ・スカラ座管弦楽団“クラシック=カラヤン”だった20世紀も、少しずつ遠くなりつつあるものの、まだまだお役目が多そうなかの巨匠。生誕100年、そして没後20年へと続く足跡探訪の地図がわりになりそうなベスト。レコード芸術にこだわった偉人の業績を6枚にパック。解説も充実。
カラヤンの3種目の「魔笛」。夜の女王に、当時新人だったオットを据え、ほかはベテランで固め、寸分スキのない演奏を展開している。ジングシュピールといった軽さは微塵もない、堂々とした演奏だ。
制作・出演
アグネス・バルツァ / アンナ・トモワ=シントウ / カラヤン / サミュエル・レイミー / パータ・ブルチュラーゼ / ヘルベルト・フォン・カラヤン / ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団 / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / モーツァルト / ローレンツォ・ダ・ポンテライヴ盤や映像を含めて4種ある「ドン・ジョヴァンニ」のうち、これは唯一のスタジオ録音。晩年に完璧なものを残したいということからか、歌手も吟味され、精緻精妙でスケールの大きな演奏となっている。
1963年のレオンタイン・プライス盤以来、カラヤン2度目の「カルメン」。オリジナルに最も近いアルコア版を使い、セリフ部分は別キャストを用意するという凝りよう。歌手ではヴァルツァのカルメンが秀逸だ。
滑らかなメロディ・ライン、たっぷりと引き延ばしうたわれるモーツァルトは、ただひたすら美しい。古楽奏法とは無縁の、モーツァルトが書いた響きの純粋美を追求したカラヤン・ワールドだ。
最高のオーケストラの魅力を最大限に発揮し、いかに美しく響かせるか、そしてモーツァルトの持つ美の世界を、いかに引き出すことができるかに挑んだ一作。カラヤンの持てる能力を駆使して作り上げた至純の世界だ。
アバドが約10年ぶりに録音した2度目の「レクイエム」は、ヴェルディ没後100周年の記念演奏会でのライヴ録音だ。ゲオルギュー、アラーニャ夫妻を独唱者に迎え、強力な合唱団を従えた感動的な演奏会の模様が堪能できる。