音楽むすび | 制作・出演 : ベンジャミン・ブリテン

ブリテンの現代イギリス歌曲、とりわけ少年合唱を中心とする英国国教会のレパートリーへの貢献がいかに大きなものであるかを実感させてくれる録音。伝統的に少年のみの構成を貫いてきた教会聖歌隊が、その歌唱法を含め独自の地位を確立していることも納得。★

ガーデニング・ブームのせいかどうか、最近イギリスが気になる……と思っていたらこの企画。でも確かにイギリス音楽って独特の趣味の良さがある。ノスタルジックでどこか哀愁があって。日本のじめじめした夏から逃げ出したい人にはうってつけかも。

「楽譜を見ただけでは興味深いものと思えない」(G.サドラー)のに音にしてみるとめっぽう面白いのがモンドンヴィル(1711〜72)の特質。存命中はラモーと双璧を成した才人の作をレオンハルトが律義に細心の気配りをもって音にしたら、めっぽう面白い。

ブリテンの数少ない管弦楽作品を1枚に収めたCDで、全4曲がCD初登場。そのうち(2)(3)の2曲が世界初録音である。曲目は渋いかもしれないが、ブリテンの全貌を捉えるのには不可欠のものだ。こういったレパートリーの開拓は高く評価されるべきだ。