制作・出演 : 堤剛
新日鉄コンサート ARCHIVE新日鉄コンサート ARCHIVE
ニッポン放送の『新日鉄コンサート』(旧フジセイテツ・コンサート)が55年に始まって早50年。幸いにもほとんどがデジタルで記録保存された。ここにはその一部が収録されているが、そのすべてが初CD化だ。当時の日本人演奏家の質の高さがはっきりと分かる。★
別宮貞雄:チェロ協奏曲/ヴァイオリン協奏曲別宮貞雄:チェロ協奏曲/ヴァイオリン協奏曲
うっかりするとほとんど後期ロマンのような作品に聴こえるが、これらは69年と97年の作品。この時期にそうした曲を書くというのは、骨があるというのか何というか、ともかく確信犯ではある。演奏にはある種の“ひたむきさ”がよく出ているけれど。
チェロをめぐる日本の響きチェロをめぐる日本の響き
チェロ用の邦人作品を収めたもの。独奏はなかなか充実していて、ピンと張った緊張感がアルバム全体を通じて持続されている。97年の(5)湯浅作品がやや先鋭的だが、(4)の松村作品も一種独特の雰囲気があって聴きものである。
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
(1)の協奏曲の独奏は、やや線は細いものの、真摯にオーソドックスに弾いている。これに、さらにこまやかなニュアンスが加わればもっと良かったが。伴奏は平均点。余白はチェロとハープによる小品。ハープの音がちと固いが、雰囲気はまずまず。