制作・出演 : 山木秀夫
日本在住のフランス人シャンソン歌手と、パリ在住の日本人音楽家の共演作。古典的なシャンソンの伝統に敬意を払いつつ、洒脱なアレンジでコンテンポラリーな作品に仕上げている。三宅のクールなトランペットをはじめ、総体的にジャズのニュアンスが濃厚。
アトランタ録音を中心にした2008年作。高揚感を醸す演奏と哀愁漂うメロディがよく合うオリジナル曲「ア・ホール・ニュー・ライフ」、クールなヴォーカルから音色もフレーズも温もりのあるフリューゲルホーン・ソロへの移行が鮮やかな「ロック・ウィズ・ユー」、浮遊感のあるアコースティックなサウンドが心地よい「ユー・アー・スペシャル」など粒揃い。
もはや、国内コーラス・グループからは突出した水準のクールさを持つ彼ら。このクリスマス・ソング集でも、圧倒的なメジャー感を発揮している。あえて英語でカヴァーしている達郎の「クリスマス・イブ」も嫌味なく自然。確かに、国内市場では狭いタイプだろう。飛躍の時期はすでに来ている。★
4人組コーラス・グループの2作目。無伴奏の「聖者の行進」は美しいハーモニーに加え、スピード感と起伏に富んだ表現が光る。ストリート感覚が心地よい「愛という名の欲望」でも実力発揮。明るい曲調と4人の声質が合っている「ファン・ファン・ファン」は山木秀夫ほかの躍動的な演奏もいい。「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」などでは品のよさが前面に出る。
2008年のボサ・ノヴァ生誕50周年を記念して、日本を代表するジャズ・シンガーの阿川泰子がラテン・フュージョンの第一人者である松岡直也をプロデューサーに迎えて制作した意欲作。阿川流のムーディな歌唱がボサ・ノヴァの魅力を増大させている。
日本のエレクトリック・ギターを牽引してきたトップ・ランナーが、デビュー30周年記念ライヴに向けたリハーサルの模様を、ライヴ形式で録音した2001年のアルバム。後藤次利、斉藤ノブら新旧のミュージシャン仲間を迎え、人気ナンバーの数々を生き生きと演奏。
5作目にして初めてのスタジオ録音盤。オーソドックスなピアノ・トリオのフォーマットで、繊細なタッチのピアノを披露している。メロディを大切にした叙情的な演奏に、西のさまざまなアイディアが加味された、飽きのこない味わい深さが魅力の一枚。
ソロ活動、熱帯JAZZ楽団のほか、ポピュラー系アーティストとの共演も数多い塩谷哲。新生トリオを率いての本作は、実にのびのびとした印象。ファンキーなアレンジの「ソ・ダンソ・サンバ(ジャズサンバ)」といい、打ち込み的なリズムを盛り込んだ「レディース・イン・メルセデス」といい、安易にジャズに落とし込まないあたりが面目躍如。
人気ジャズ・ピアニスト、塩谷哲が共同プロデュースにクラブ系の田中義人を迎えたフューチャー・ジャズ志向のアルバム。ヒップホップ、ラテンなど多彩な音楽要素を取り入れたポップ・センスあふれるサウンドと塩谷のピアノのアート感覚が融合している。
初の本格的ジャズ作品で2003年録音。マイケル・ブレッカーの参加が華を添える(3)ではスキャットを交えた楽しげな表現が印象的。語りかけるような(5)にはシンガーとしての豊富な経験と個性の発露を感じる。プロデュースを手がけた島健を中心とした演奏も質が高い。
世界的に活躍する日本が誇るギタリスト、渡辺香津美のギター生活30周年記念アルバム。本作はギター組曲となっており、壮大な宇宙をモチーフに縦横無尽に広がるギター・プレイが楽しめる。