制作・出演 : 松山千春
近年のヒット作はもちろん、これまでの代表作まで網羅したデビュー25周年記念ベスト・アルバム。広大な自然の情景が思い浮かんでくるような楽曲と、伸びやかな歌声で聴く者の心を捉える。
オリジナル・アルバム・コレクション2タイトル同時発売。『24時間』には、「夢の中でも」「お前だけ」ほか全11曲。『勇気ありがとう』からは「ひとり」「こんな時代に」ほか10曲収録。
自衛隊の古参下士官にときどきこういうタイプの人がいる、とジャケ写を見てあらぬことを考えた。土性ッ骨が坐っているというか、自己の可能性と限界をきちんと見すえたうえで動く。その点では、どっちもプロフェッショナルだ。彼のメッセージは実は男心だ。
ポニーキャニオン時代の“初期の松山千春”集めたベストもの。今、改めて聴くとアレンジが古い。20年くらい前だとこんなものか。ヒット曲(2)(3)(17)をはじめ、全体に湿り気が強いのだけど、70年代後半のニューミュージックってこんな感じだったっけか?
デビュー20周年。節目を迎えた1996年、コンサート活動などさまざまにメモリアルな企画が行なわれた中で発売された集大成的ベスト・アルバム。写真集付きの解説に手応えがある。初期のヒット曲は新アレンジで再び収録。今も変わることのない直球の唄に泣かされた。
千春の曲から受ける印象は、決して都会的なスマートさではない。しかし、たくましく大らかな北海道の大地に育まれながらも、その奥に秘めた繊細な感受性が魅力となっていることは確かであろう。そこにはタイトルのように武骨でも素直に生きる青春がある。
シリーズ6作目となるチーさまのベスト・アルバム。彼の歌を聴いてほっとしたり昔を懐かしむニューミュージック世代の人も多いだろう。長髪はマイケル・ジョーダンばりのスキンヘッドに変わったが、やさしく繊細なヴォーカルは今も健在。
自己のレーベル“NEWS”からアルファへ移っての松山千春の第1作目がこれ。いい声しているのだが、聞くたびに感じるヴォーカリストとしての幅の狭さがやはりここでも。タイトル曲を聞いていると、松山自身への応援歌のように思える。
心機一転、アルファに移籍後のアルバム。リズムを主体としたサウンド優先のアーティストが多かったこの時期のミュージック・シーンで、千春の曲は大らかさゆえにかえってオーソドックスに感じられた。が、時代に左右されない伸びやかな声こそが彼の魅力だ。
さまざまに試行錯誤しながらオリジナルとして14枚目のアルバムを5月10日にリリースした千春。意表をつくジャケットも含めて千春が千春であって他の誰でもない、というふっ切れた自信が曲の全体に感じられる。千春を見守ってきたファンには納得の一作。