制作・出演 : 納谷嘉彦
2010 年7月にデビューするや、若さと美貌だけでなく、そのやわらかい音色や確かなテクニックとエモーション、さらに全59画の名前のインパクトでジャズ界の話題を集めた纐纈歩美。 ジャズジャパン誌 創刊号のニュースター賞第1号に選出された彼女のセカンドアルバムが早くも登場。 レコ発全国ツアー(ジャズフェス含む40ヶ所超、各地で満員御礼の盛況)を経てミュージシャンとして一段と成長を遂げた彼女の姿を早くもセカンドアルバムという形で提示する。 本作は、ハードバップからクールジャズを中心としたジャズのレパートリーを中心に、作曲の才能も垣間見れるオリジナル曲や、J?POPからは一青窈「ハナミズキ」のカバーなど纐纈の魅力がつまった楽曲を収録している。 ■パーソネル 纐纈歩美 (Alto Sax) 納谷嘉彦 (Piano) 俵山昌之 (Bass) マーク・テイラー (Drums) ■纐纈歩美(Ayumi Koketsu)Alto Sax 生年月日:1988年10月5日 血液型:B型 岐阜県土岐市出身。地元ビッグバンドのトロンボーン奏者である父の影響で、幼少の頃からジャズ、ラテン、フュージョンに親しむ。 3歳よりクラシック・ピアノを習い、中学の吹奏楽でアルト・サックスに転向。高校から本格的にジャズを始め、椿田薫氏に師事。 このころからチャーリー・パーカーに傾倒するようになる。高校卒業後、甲陽音楽学院名古屋校コンテンポラリー・ミュージック専攻ジャズ・サックス科入学。 Randall Conners氏、岩持芳宏氏に師事。演奏と理論を学ぶ。在学中より、岐阜、名古屋を中心にライヴ活動を始める。 卒業して現在、リーダーバンド(as+p+bトリオ/as+gまたはp+b+dsカルテット)の他、納谷嘉彦(pf)カルテット「f」を始め、様々なセッションに参加。 2010年7月21日、ポニーキャニオン/M&IレーベルからCDデビュー。
東海地方を中心に活動する女性アルト・サックス奏者、21歳のデビュー作。落ち着いた演奏、太くまろやかなトーンなど女性とも21歳とも思えない実力。スタンダード中心の演奏内容はオールドファッションだが、話題性や偏見で語られずに伸びてもらいたい逸材。
劇画ジャズというのだろうか? テーマ化された各章を納谷のピアノ・トリオが見事に“演じきって”走り続ける。「安息の日々」の優雅、「風雲急を告げる」の切迫。納谷の書いた“シナリオ”の見事さに70年代の山下洋輔=筒井康隆コンビを思い出す。ドラマティックな「真夜中の果たし合い〜序・破・急」に続く「希望の鐘の音」の清々しさが出色だ。★
実力派ベース奏者率いるドラムレス・トリオが、題名どおりに、まさにストレートアヘッドな演奏を展開。三者の親密な関係性から音楽がじっくり発酵していく演奏や、ゲスト参加の大坂の鋭いドラムが鼓舞するかたちで全員が熱く弾ける演奏など、秀逸な演奏が並ぶ。
ベテラン・ドラマー大隅寿男の意欲作。フロント2アルトの編成が非常に新鮮、特にモンクの名曲「ウェル,ユー・ニードント」での2管によるテーマの展開はスリリングで、この曲の後半の盛り上がりを予感させる。7、10曲目は好きな曲、安定感のある大隅のソロがいぶし銀のように際立つ。