制作・出演 : J.S.バッハ
決して重苦しくなり過ぎることはない。が、実直で堅牢なタッチで、構成把握とカンタービレのバランスをはかりつつ、個々の音の響き(これが素晴らしい)を楽しみ味わい尽くしているような綽々たる余裕振りは、やはり重鎮らしいスケールの大きさと言うのだろう。
“ファンタジー=幻想”を切り口に、バッハ、モーツァルト、ショパン、シューマンの代表的楽曲を集めたコンセプト的アルバムだ。演奏家としてのキャリア形成途上で得た、フランス的エスプリが匂いたってくるような感性。楽曲たちにその感性が与える叙情的な表情が興味深い。
バッハのソロ鍵盤楽器のための協奏曲全集を録音したペライアが、続いてブランデンブルク協奏曲第5番を録音。共演は協奏曲と同じく、自ら首席客演指揮者を務めるASMFだ。
制作・出演
J.S.バッハ / クロード・メゾンヌーヴ / ジャック・マス / ジャン=フランソワ・パイヤール / パイヤール室内管弦楽団 / ピエール・ピエルロ / マクサンス・ラリュー / マルセル・ラゴルス / モーリス・アンドレ60年代にバッハ演奏で一世を風靡したクルト・レーデル/ミュンヘン・プロ・アルテcoの温かく穏やかな響き。カンタータの細やかな表情がすばらしい。まさに癒しの音楽。レーデル自身の編曲によるトッカータとフーガも派手さを抑えた格調の高い演奏だ。
度重なる来日や教育活動を通じて、ピヒト=アクセンフェルトはわが国にも馴染み深い存在だ。この録音は女史が壮年期頃の録音で、技術的にはちょっと頼りない部分もあるがあまり繊細ぶらぬ質実剛健な演奏ぶり。ただ使用楽器があまりよろしくないかも。
ランパルに次いでフルートの黄金時代を築いたゴールウェイの偉業を8巻15枚のディスクで俯瞰するシリーズのvol.1。ケルティックの笛の音が、カラヤン時代のベルリンの首席奏者、類稀なきソリストとしての経歴まで一貫する、稀代の音楽家の快演を堪能。
制作・出演
J.S.バッハ / クルト・レーデル / ピエール・ピエルロ / ミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団 / モーリス・アンドレ / ラインホルト・バルヒェット / ロベール・ヴェイロン=ラクロワ久しぶりに聴いて感動した。好きずきはあろうが、やはり現代楽器の方が鳴り方が自然だ。この小味で明るくしゃれた雰囲気、そして名手たちの妙技。録音も「これが1962年?」と驚くほど新鮮。大指揮者たちの回想が含まれるレーデルの最新インタビューも面白い。買いです。★
制作・出演
J.S.バッハ / インゴ・ゴリツキ / エグベルト・グッチョ / カール・リステンパルト / ザール放送室内管弦楽団 / ヘルムート・ヴィンシャーマン / ヘンニンク・トゥルーク / ユゲット・ドレフュス / ロベール・ヴェイロン=ラクロワランパルの5回にもわたるバッハ・ソナタ集の、これは3度目のものの初CD化。ランパルらしく、常にむらなくたっぷりと楽器を鳴らし、恰幅の大きな音楽を繰り広げている(その屈託のなさに若干の抵抗を覚える向きもあろうが)。V.=ラクロワの多彩なサポートが楽しい。