ジャンル : クラシック > 交響曲
札響で評判の良いチェコの指揮者、エリシュカ。確かに特にドヴォルザークは聴きごたえがある。ドイツ風の堅牢な構成で、じっくりと落ち着いて歌う。これならばドヴォルザークのみならず、他の交響曲も聴きたくなる。ヤナーチェクは無難だが悪くない。
たっぷりとした響きで沸々と内に向かうロマンに浸るブラ4ではない。各声部がくっきりと明快、鋭敏に動く。相互の関係性がきわめて明瞭に腑に落ちるその音の姿が過激なまでに斬新である。発止と敏捷に響きが立つ3楽章。エモーション直截な4楽章。音楽が熱い。
ロマン派の交響曲を、現代的・古楽的な考察及び奏法両者を取捨選択して演奏する、しかもそれを小編成で行なうという、まさに昨今ならではの意欲的な試み。重厚長大・濃厚な情緒・暗欝な印象を与えてきたこれまでのブラームス像は、軽く澄明な響きと明快な細部、そして鮮やかな運動性と確かな形式感を備えたものに一変。でも考えてみれば、ブラームスはロマン的古典主義者。こうした方法論がふさわしいことは言うまでもない。番号が下るにつれ、コンセプト優先の演奏が次第に自由でのびやかになっていく過程も面白い。
ラトル初期のマーラー録音。手兵バーミンガム市響でなくボーンマスso.と組んで、まずポピュラーでない第10番のクックによる全曲版を取り上げたのがラトルらしい。後に続く刺激的なマーラーの第一歩がここにある。
アルト・パートにバリトンのハンプソンを起用して話題となった、ラトルとCBSOによるマーラー「大地の歌」。CBSOとの集大成的な一枚で、ラトルの成熟したマーラー観が如実に表われた演奏として高い評価が与えられた作品だ。
コンセルトヘボウ管の100周年を記念して録音されたベートーヴェンの交響曲全集からの一枚。素晴らしい演奏だ。ハイティンクの指揮には推進力があり、格調の高さもある。名ホールとともに生み出された豊かでまろやかなオーケストラの響きも聴きものだ。
制作・出演
オランダ放送合唱団 / キャロライン・ワトキンソン / ベルナルト・ハイティンク / ベートーヴェン / ペーター・シュライアー / ルチア・ポップ / ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 / ロベルト・ホルハイティンクの80歳記念企画として完成させた、ブラームス交響曲全集からの一枚。ハイティンク晩年を飾る名盤として記憶しておくべきシリーズだ。BSOに余分な振りを付けることなく、ブラームスの魅力を十二分に引き出している。
制作・出演
エルンスト・ゼンフ合唱団 / シルヴィア・マクネアー / ジーグルト・ブラウンス / ベルナルト・ハイティンク / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / マーラー / ヤルト・ヴァン・ネス制作・出演
エルンスト・ゼンフ女声合唱団 / ジーグルト・ブラウンス / テルツ少年合唱団 / ベルナルト・ハイティンク / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / マーラー / ヤルト・ヴァン・ネス / ヴォルフガング・シャディ最高の音で楽しむために!