ジャンル : クラシック > 協奏曲
ソロ、オケともにきわめてメリハリくっきりと情が動く瞬間を際立たせた演奏である。節回しや身振りの謂ではない。フレーズや書法に潜む発火点を鋭敏にすくい取り、大胆に響きに映す。その即発のスリルは、ベートーヴェンの2楽章で不意討ちのように結実する。
発売当時絶賛された、アンスネスとラトルの顔合わせのアルバム。アンスネスの研ぎ澄まされた透明な響きが作り出したブラームス像の鮮烈な印象は今も色褪せない。ラトルの優れた指揮も相まった、まことに刺激的な一枚だ。
稀代のホルン奏者、ブレインのR.シュトラウスのホルン協奏曲にヒンデミットを加えた一枚。1958年に自動車事故のため36歳で死去したブレインは、表現力を飛躍的に拡大した天才的な奏者だった。録音は古くとも、いまだに高評価が与えられている名盤だ。
アルゲリッチ20〜30代初め頃のプロコフィエフとラヴェル。高揚感のある歯切れのよいリズムと叙情性を併せ持ち、スリリングがつロマンティックな世界を表現。アルゲリッチ不朽の名盤だ。
細部まで玲瓏克明にピアノを響かせることに終生こだわりぬいたミケランジェリ。老齢に至り、肉体が及ばぬ際には時に音楽のノリをそぐことも厭わず透徹する。その孤高の音の姿を捉えた80年代未発表録音。シューマンはまさにぎりぎり、ドビュッシーは無二の絶品だ。
制作・出演
アイザック・スターン / ウィリアム・R.スミス / ジャン=ピエール・ランパル / ダヴィッド・オイストラフ / フィラデルフィア管弦楽団のメンバー / フランツ・リスト室内管弦楽団 / ヤーノシュ・ローラ / ユージン・オーマンディ / ヴィヴァルディヴィヴァルディの2つのヴァイオリン用の協奏曲集。スターンとオイストラフの共演をオーマンディが振ったものと、ヴァイオリン・パートをフルートで吹いたランパルとスターンとの共演を収める。いずれも興味津々の演奏だ。
音楽の表情の変化に即し、思いきって速度感を切り替えて走り、たゆたい、色を放つ箇所では現代楽器の響きの色を最大限に活かす。どちらが主でも従でもなく、ソロとアンサンブルが互いに自在に振舞いながら斬新闊達な音楽的充溢を創り出すクレーメル流。健在!★
制作・出演
ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団 / ウィーン・プロ・ムジカ管弦楽団 / ギュンター・ケール / パウル・アンゲラー / ペーター・マーク / マインツ室内管弦楽団 / モーツァルト / ワルター・クリーン発売元
日本コロムビア株式会社60〜70年代にかけて、一部が廉価盤LPで発売されていた懐かしい演奏の復活。慎ましく端正に過不足なくという、当時のモーツァルトのスタンダードに寄り添うようなスタイルの演奏。指揮者もオケも玉石混交なれど、飾り気なく素直な表現が好ましい。