ジャンル : クラシック > 協奏曲
協奏曲は4度目の録音。そして当時2度目の全集が進行中だった。ラフマニノフはアシュケナージの得意な作曲家だけあって、同曲のスタンダードとも言うべき充実した演奏だ。ハイティンクの伴奏もベスト。
フィッシャーのデッカ移籍第1弾で、弾き振り。以前の録音では適度にロマンティックな表情をちりばめていた彼女だが、そうした過去と決別するかのようにすっきりと現代的なバッハを描いている。最近のハーンよりもいっそう辛口かもしれない。音質も最上級。
ブラームスはじっくりと大家風に仕上げた演奏。並み居る競合盤の一躍トップというわけにはいかないが、悪くない。いっそう見事なのはコルンゴルトだ。ここではスナイダーのしたたるような美音、そしてウィーン・フィルの艶やかさが存分に発揮されている。
一歩も引かずに精密にオーケストラとやり取りを交わすところは、さすがにウィーン・フィルのソロ・ハーピストを務めるメストレ。ハイドンの協奏曲がハープのオリジナル作品のように豊かな表情で蘇るのも楽しい。一方のソロでは、繊細でしなやかな表現力もアピール。
制作・出演
アンドレアス・ブラウ / カール・ライスター / ギュンター・ピースク / ジェームズ・ゴールウェイ / フリッツ・ヘルミス / ヘルベルト・フォン・カラヤン / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / モーツァルト / ローター・コッホソリストにベルリン・フィルの首席奏者たちを起用し、話題となったアルバム。ゴールウェイ、ブラウ、コッホ、ライスターら、いずれ劣らぬ名手たちが顔を揃えている。協奏曲におけるカラヤンの指揮もまた絶妙だ。
ワイセンベルク&カラヤンの名演を集めた豪華な一枚。“クリスタル・クリア”と評されたワイセンベルクの純度の高いサウンドを、徹底的に磨き上げたオーケストラ・サウンドが包み込み、壮麗な音響世界を展開している。
ベルリン・フィルのフルトヴェングラーの影がまだ色濃かった頃のピアノ協奏曲と、完全に自家薬籠中の物となっていた頃の若きクレーメルとのヴァイオリン協奏曲。興味深い組み合わせとなっている。
メンデルスゾーンのピアノ協奏曲がまとめて聴ける。とくに10代の半ばに作曲された作品を、全盛期のジョン・オグドンやラベック姉妹が弾いた演奏がすばらしい。早熟な少年が作曲した音楽にはこぼれ落ちるような愛らしさがあって、つい微笑んでしまう。
有名なホ短調のヴァイオリン協奏曲と、比較的珍しいヴァイオリン・ソナタを収録。若きミンツの瑞々しい演奏を聴くことができる。特にメンデルスゾーン14歳の時のソナタは、一聴の価値あり。
ともに13、14歳頃の作品。早熟の天才ぶりがはっきりと窺える作品だが、これをクレーメルとアルゲリッチが演奏していることで、作品の価値が何倍にも高まっている。貴重にして会心の一枚だ。