ジャンル : クラシック > 協奏曲
内田光子のモーツァルト協奏曲全集からの1枚。「表現意欲を促進させる」と言う、テイト/イギリスCOとの絶妙なアンサンブルが素晴らしい。スケールの大きな第25番と晩年の珠玉のような第27番が輝きを増している。
テイト/イギリスCOは、いささかの虚飾もなくオーソドックスに、またスタイリッシュにサポートしていて、だからこそ内田の豊かな表情が一層鮮やかに際立つ。出色の協奏曲演奏になっている。
シェリングの弾き振りが聴けるバッハで、これはフィリップスでの最初の録音。シェリングを語るときの常套句、「高潔」とか「厳しい精神性」といった言葉が、そのままあてはまる名演。
イタリア古楽界の俊英たちによる、アルヒーフ移籍第1弾は、まずはオーソドックスにヴィヴァルディ、ロカテッリ、タルティーニらの協奏曲集。相変わらず刺激的ながら、流麗で豊かな音楽を聴かせている。
ラ・プティット・バンド結成後20年ほど経って初めて録音されたブランデンブルグ協奏曲。クイケン3兄弟をはじめ、寺神戸亮、鈴木秀美らによって、ピリオド楽器演奏でのこの作品のひとつ典型を作り上げた。
バッハの現存するヴァイオリン協奏曲、3曲を収録している。ソロも含めて13人という、当時のケーテンの宮廷楽団を踏まえた編成をとっている。バッハの意図とその響きをも忠実に再現している演奏だ。
チェンバロ協奏曲として知られた作品を原曲の形で復元。パルシヴなチェンバロの響きとは一味違うゆらりとした佇まいが耳を引く。楽器の音色のシブさのせいか、魅せるところはキリと魅せつつフトコロを保って過剰にオチない演奏も中々。BWV1056aの緩さがいい。
制作・出演
J.S.バッハ / カタリーナ・ヴォルフ / カプリッチョ・ストラヴァガンテ / クラウディア・ステーブ / スキップ・センペ&カプリッチョ・ストラヴァガンテ / デイン・ロバーツ / マンフレード・クレーマー / ミシェル・ムルギエールサイの独奏は敏捷性と流麗さ、そして即興性にあふれ、爽快そのもの。特に弱音で鍵盤上をササッと動き回る時の音色の素晴らしさも彼独特のものである。第21番の自作のカデンツァも、まさに水を得た魚。透明感と躍動感一杯の伴奏も万全。録音も最良。
ジョシュア・ベルが、ノリに任せることなく、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を緻密に美しく弾ききっている。音色が洗練されていて、表現がとてもフレッシュだ。ティルソン・トーマス指揮のベルリン・フィルは堂々とした演奏。ライヴ録音。