発売元 : ビクターエンタテインメント株式会社
歌う者の代弁者として作曲家・作詞家があるように、作曲者・作詞者の歌に託す思いを私たち聴くものも感じざるをえない。真琴氏の柔らかな歌唱による「白いうた青いうた」の調べをなぞり、詩を頭に描くとき、それは忘れていた「青い日々」を思い出させる。
新実徳英がベートーヴェン「英雄」の葬送行進曲やフランス民謡など何らかのモトネタをアレンジした曲に谷川雁が詞をはめる……。そうして生まれた合唱曲集を新実自身が歌手の弟のため独唱用に改めた。弟はやや非力ながらも懸命な歌唱。兄弟愛に満ちたCD。
甘さがなによりの60年代のお兄さん。顔も甘口でなごみます。ケイデンス時代のアメリカン・ヒットのみならず日本だけのヒットもばっちり。ソングライターとしての才能も素晴らしかったことを忘れてはいけません。ロックンロール系の曲もゴキゲン。
1年3カ月ぶりの登場となる、みやむーの2nd。周防義和、鈴木慶一、関口和之といったそうそうたるメンバーによる楽曲を、アイドルチックなウィスパリング・ヴォイスで披露している。歌唱力のなさが分かってしまう曲もあるだけに、やはりマニア向けか。
映画でミュージカルでおなじみの曲をキャリア20年のジャズ・ヴォーカリストが歌い上げた。選曲は歌舞伎にミュージカルに活躍中の松本幸四郎。名曲揃いだが、それぞれの曲のイメージをしっかりつかみ、可愛らしい(3)、弾むような(6)など、歌いかたも微妙に違う。
強情で不器用なワイやけど、おまえが必要なんや…と、たかじんらに代表される“大阪レイニー・ポップ”を見事に表現。特別じゃない、あたり前の生き方を朴訥に暖かく唄いあげる雅。“笑い”も無くきわめて音楽性の高いファースト・アルバム。
元クライズラー&カンパニーの葉加瀬太郎をプロデューサーに迎えた意欲作。しっとりとしたアコースティックな演奏に乗せて“女”が開花じゃ。ジャケットの写真を見ながら聴けば大人と子供の中間期特有のエロティシズムが伝わってきて、ドキドキよ。
人気を博しているのはロック方面からだが、自分の表現としてはフュージョンをやりたいんだよと言っているリーダー作。曲もすべてオリジナル、非常にストイックな印象を与える、硬質かつ透明感の高いフュージョン・サウンドを淡々と繰り広げている。
ニューヨーク州西部に住む先住民の踊りの歌をまとめたCD。92年の録音である。ウォーター・ドラムと牛角製のガラガラによる演奏と歌声からなるが、たいへんシンプルなリズムと音にしっかりと“精”が宿る。企画/プロデュースもした土取利行の解説付き。