発売元 : ビクターエンタテインメント株式会社
伊福部と芥川が師弟関係にあったことを考慮して聴くと、芥川が伊福部からどのような影響を受け、その上で自らの語法をどう構築していったかが分かるように思える。日本の現代歌曲も面白いものだと、この1枚を聴いて認識を新たにした。
石桁真礼生の歌曲をスペシャリストの瀬山詠子が歌う。少しややこしくて作曲の手がちらほら見えてしまいがちな石桁の曲を、この人は知的な処理でこなし、とても深みのある表現を見せる。歌曲はほかのものに増して演奏者の存在抜きには語れないものだ。
あの畑中良輔や立川清澄の名唱が聴ける。正確な発音はもとより、詩(言葉)の踏み込んだ解釈と表現には目をみはらせるものがある。特に立川の歌唱には、真に迫る情動が感じとれる。彼ら以上の逸材を今日発見できないのは何ともさびしい。必聴の1枚。
高田三郎の50〜60年代の歌曲集。順に聴いて行くとこの人の音楽にはわざとらしい作意や効果を狙うあざとさがないのに気づく。“日本歌曲”というとチョット……という必要がない。作曲者の音楽が自然に流れたから歌い手もごく自然に歌ってそれで十分。
瀧廉太郎の代表的な歌曲が収められている。知っている曲も多く、懐かしくも楽しい。瀧もマーラーたちと同時代の世紀末の作曲家だった。最後に瀧のピアノ曲が2曲収められているのがうれしい。世紀末の西洋音楽であると同時に明治時代の香りがする。
往年の映画ファンから若い世代まで楽しめる映画音楽作品集。ワクワクする(2)、懐かしい(10)、ディズニー・アニメのしっとりしたバラード(5)(6)(7)など、何回聴いても飽きない曲ばかり。上品な歌声で親しみやすい映画音楽を気持ちよく歌い上げている。
これは耳に心地よく響くクリスマス・アルバムだ。ポップなサウンドの中に程よいジャズ・センスも加わり、大人のクリスマスを演出してくれる。OBATAのヴォーカルには独特のムードがあって、それがクリスマス・ソングによって魅力を倍増させる。
最近ではCMで見かけるくらいで何をしとんだと思ってたら、ニュー・アルバムが完成してた。今や数少ない正統派アイドルとして真っ直ぐに突き進んでいる彼女だけに、大胆な試みはないけれど、かえってホッとする。たぶん、そのフツーぽさがいいんだろうな。
恋する乙女たちの応援歌!? 満載のソニアのサード・アルバム。いろいろな愛の形をヒップホップ・ソウルにくるんで表現しています。愛の伝道師に身をゆだねれば癒されます。S.ワンダー作でシュープリームスが歌った「バッド・ウェザー」のカヴァーもあり。
10代でプラスティックスを体験してる身としては、懐かしいと同時に今でも新鮮に響くバンドをリアルタイムで聴けたラッキーを噛みしめるNY&LAライヴ盤。当時の日本の音楽って世界で一番トンがってたんだなぁ。さて今の若者はコレをどう聴くのか。