発売元 : ビデオアーツ・ミュージック株式会社
制作・出演
JonasWall / アンディ・プレイラー / ウォルフガング・ハフナー / セバスチャン・ストゥディンツィー / ニルス・ラングレン / マグナス・リングレン / マグナム・コルトレーン・プライスケニアのスラム街に暮らす子供たちに楽器を提供するプロジェクトの一環として、CDの売り上げ1枚につき1ユーロを寄付するという名目でリリースされた本作。現地の子供たちの声が響き渡るオープニングの瑞々しさといったら。全体を貫くのは、これぞ王道!のジャズ・ファンク。
自身のレーベルから発表した本作は、敬愛してやまない先輩ピアニスト、デューク・ジョーダンへのオマージュになっている。ジョーダンとはスタイルが異なるものの、心に染み入るしっとりした演奏からは北欧の静寂な情景が目に浮かぶようで、心安らぐ。
やっぱりカートは尖ってる。2006年のNYヴィレッジ・ヴァンガード。高速3拍子で突入する「コード」。イントロで霊的な純ジャズの様相を呈するこの曲もカートのギターが入るや、ガラッとハードコアな世界に変わってしまう。その音色とフレーズ、全身でもって熱い火花を点火する。カートは裏切らない。★
欧州の叙情派ピアニスト、ジョバンニ・ミラバッシの2005年作。ピアノ・トリオに3曲でプリマ・オ・ポワ(tp)がゲスト参加。何と宮崎駿アニメの「ハウルの動く城」も演奏した。「ロロ」はエグベルト・ジスモンチ作。それ以外はミラバッシの作曲。清新で叙情的なピアニズムで惹き付ける。
人気ピアニスト、ジョバンニ・ミラバッシの本領が遺憾なく発揮された2007年作品。心強いメンバーを得てオリジナル曲を中心に披露しており、ジョバンニ流ピアノ・トリオを提示して見せた一枚。「叙情的」という言葉だけでは語れない美しさがある。
ジャケット上部に英文でつつましやかに記されたスタンダーズ・トリオという名称。モンクの「リフレクションズ」「アスク・ミー・ナウ」、ショーターの「フォール」「アナ・マリア」などのナンバーを柱にした本作(「イースト・コースト・ラヴ・アフェア」が自作)の、エフェクトを抑えたモノトーンの静謐な爪弾きは、彼のハードコアな側面を大きく覆し、その丸腰ギターがカートの善美をあらためて証明する。
スウェディッシュのピアニスト、ヤン・ラングレンのトリオが母国の古謡を取り上げたアルバム。日本人にはなじみのない曲想ではあるが、メロディやモチーフは特筆すべき美しさがある。
2年ぶりの2作目で、日本語をメインにした良質なジャズ・ヴォーカル作品。あたたかく、のびやかな声が楽曲のもつメッセージにぴったりな「翼」は飛翔感のある演奏も充実。「魅惑のワルツ」は夢見心地の雰囲気。オリジナルの「オーディナリー・デイズ」は透明感のある導入部とリズミカルな中間部の対比が面白く、快活なスキャットが見事。
マイク・スターンなどのフュージョン・サウンドを受け継ぐNYの新しい才能オズ・ノイの4作目。タイトなバンド・アンサンブルに、オズの十数個並べたエフェクターによる魔術師級のサウンド・メイキングが圧巻。実際にライヴでも再現できるのが凄い。
リー・リトナーがプロデュースしたポップかつスムース・ジャズ的な音にのせて優れたシンガー・ソングライターとしての資質をアピールした2009年作。美しいサビ・メロに艶やかなヴォーカルが合う「アン*モーション」、パトリース・ラシェンのローズがメロウなムードを醸す「チルズ」など粒揃い。★
ジャズのスタンダードに津軽弁の歌詞を当てはめるという実に大胆な企画も、いざ聴いてみるとすんなり聴けてしまう不思議。これは津軽弁の響きもさることながら、香川出身の伊藤君子による方言習得力によるところも大。名盤と珍盤の間で永遠に揺れ続けるだろう。
スウェーデン出身のピアノの貴公子、ラングレンの独ACTからの2009年作は、これまでのオーソドックスなスタイルから脱却、曲によってはフェンダー・ローズも弾くなど、随所にコンテンポラリー色を打ち出したのが特徴。美旋律で欧州各地を旅する気分が味わえる。