発売元 : 株式会社ソニー・ミュージックアーティスツ
制作・出演
オマー・ハキム / ザ・グレイト・ジャズ・トリオ・プラス / ジャック・ディジョネット / ジョン・パティトゥッチ / ジョージ・ムラーツ / デイヴィッド・ウォン / ハンク・ジョーンズ / ビリー・キルソン故ハンク・ジョーンズの未発表曲集。プロデューサー伊藤八十八がナット・キング・コールとナタリー・コールの“幻の共演曲”にヒントを得て、ケイコ・リー、TOKU、寺久保エレナにオーヴァーダブでハンクと“共演”させている。ピアノの深みと柔らかいタッチは至宝の味わい。
スタンダードを中心にしたフリードマンのアルバム。まずはリメイクされた「サークル・ワルツ」。オリジナルに比較して表現のラインが鮮明でより力強い。だがリリカルな余韻も十分だ。これが円熟味なのかと思う。バックも好調。特にナッシュのパワフルなドラム・サウンドが光る。楽譜付きがユニーク。
情熱とユーモアにあふれたコテコテの人生応援歌を歌わせたら右に出るものなし。これが通算7枚目だが、以前よりもユーモア薄めでシリアス濃いめ、ダイナミックなロック・ナンバーが増えた。歌の表情もより丁寧に言葉を伝えるスタイルに変わり、バンドが新たな分岐点を越えつつある印象。
2008年に結成された4人組による初のアルバム。大局的にはロックンロールと言えるが、その振り幅の広さは想像以上だ。重心の低いアンサンブルで牽引するかと思えば、キテレツなアレンジで多彩な変化を導く。中心人物のタカハシヒョウリ(vo,g)の強力な存在感がそのすべてを集約する。
91歳で惜しまれながら亡くなった巨匠のラスト・レコーディング。もはや孫ほども年齢の離れたメンバーとともに、楽しげに演奏する姿が目に浮かぶ。急遽ロイ・ハーグローヴが参加し、更にスペシャルな録音となった。
抜群の歌唱力を誇るティファニーのアルバム。これだけの才能があれば世界に出ても評判を呼ぶに違いない。国内発売だけで終わらせてほしくない。アニタ・オデイも録音したメドレーの「イエスタデイ〜イエスタデイズ」からラストのソウル・ナンバーまで、とにかく見事な出来映えだ。
制作・出演
エルヴィン・ジョーンズ / ザ・グレイト・ジャズ・トリオ / ジャック・ディジョネット / ジョン・パティトゥッチ / トニー・ウィリアムス / ハンク・ジョーンズ / リチャード・デイヴィス / ロン・カータージョーンズを中心にしたグレイト・ジャズ・トリオの足跡を振り返る一枚。30年以上におよぶキャリアのトリオを1枚のCDで総括するのは難しい。それだけに、珠玉の中の珠玉の演奏が集められている。おまけに未発表の2曲も聴けるからありがたい。
リーダーであるハンク・ジョーンズは90歳を迎えた大ベテランだが、ピアノ・タッチが絶妙で滋味豊かな音を紡ぎ出している。ベースとドラムの連携も良く、特に、キルソンの鋭い感性が弾けるドラミングが刺激的。メリハリの利いたピアノ・トリオ演奏が楽しめる。
曲に合わせて5人のピアニストを起用した2008年8月録音の3作目。「五木の子守唄?サマータイム」は小曽根真のクリアな音色によって深みのある声が際立つ。詩情あふれる秋田慎治の演奏とロマンティックな表情のヴォーカルが合う「ムーン・リヴァー」もいい。中島弘恵の軽やかなタッチが生きる「アイ・ソウト・アバウト・ユー」ではいかにも気持ちよさそうに歌っている。
2006年にデビューした歌手。これは4枚目の作品。これまでのジャズ?R&B路線と違って本格的にブラジルと取り組んだ内容。タイトル曲や「ジンジ」などジョビンのボサ・ノヴァ5曲を中心に「11時の夜汽車」のような泣きのサンバも。清々しく、コクのあるヴォーカル。
日本を代表するトランペッターが、師と仰ぐメイナード・ファーガソンに捧げたトリビュート。従来のジャズ・ビッグバンドの枠を広げ、今日的なサウンドも注入、伝統に敬意を表しつつ、未来を展望する力強い作品に。夜空に響きわたるトランペットの音色は感動的だ。
日本ジャズ・ピアノの若手ホープ、海野のNY録音作品。ジョージ・ムラーツ、ジミー・コブという大御所を迎え、堂々とした演奏ぶりで大器の片鱗を見せている。ピアノの鳴りを大切に、テクニックも文句なし。スリリングな高速オクターブ・フレーズは圧巻!
女性シンガーによる多重録音ア・カペラ。声によるバック・トラックにリード・ヴォーカルを乗せた作りで、コーラスとしての面白みには欠けるが、そのぶんメロディは聴きやすい。良い意味で模範的な声と高い技術は貴重な人材だ。凝ったコーラス作もぜひ聴いてみたい。
昭和青春歌謡のヒット曲をジャズ化したユニークな企画のアルバム。圧倒的な迫力のバックに馴染み深いメロディが乗って、うきうきと楽しくなる。単なるおふざけではないのはアドリブを聴けば明快。アレンジも含めて完成度は高いと感じた。