発売元 : 株式会社バップ
注目のハード・ロック・バンドの7月リリース予定のサードからの先行ミニ・アルバム。様式美路線のメロディアスな楽曲は、ファンには期待通りのはずだが、テク抜群のギタリストに対し、ここにきてヴォーカルの弱さが目立ってしまったのは何とも残念……。
最近は『夜はヒッパレ』的なシンガーになってしまった感もある大橋純子のベスト。愛をテーマにしているせいか、彼女のアクティヴな面が今イチ出てない、というよりもともとこんな感じだったのか。(13)のような英語モノの発音がディナー・ショーっぽい。
紅葉の季節に乗鞍岳に出かけ高山方面を見渡すと、「奥飛騨慕情」のメロディが頭に浮かび、当地ソングの強さを再認識。そして嫁ぐ娘と送る父親とのデュエット曲「父娘川」は、竜の朴訥とした台詞と歌唱が父親の戸惑いや寂しい気持ちをしみじみと伝えている。
ガシガシのギター・サウンドが、ストレートに突き刺さってくる。小手先の妙なテクニックに走ることなく、ただただ想いを音に素直に叩きつけてくる姿勢が格好いい。ノー・ギミックといえば聞こえはいいが、要は、単純明快なギター・ポップ小僧たちに違いない。
小林克也のスネークマン・ショーの新ヴァージョンといったところ。ほとんどの曲でケイ・ナカヤマが音作りをしており、クラブ・ミュージック仕立ての曲もあり、冷ややかな風刺に色を付けた。けど、さっぱりした作りの曲が一番ドッキドッキしたりして。
秋山準の台頭でますます面白味を帯びてきた王道・全日本。現在の全日マットをささえる面々のテーマ曲をほぼ網羅(なぜかジャンボが入っているのにハンセンはナシ)。これまであまり聴けなかった若手の曲もありマニアには嬉しい。ライナーはKORN。
同時代の民謡を目指して平成の新民謡運動を展開している伊藤多喜雄が、村や町の復興に民謡で一役買っているのが実感できるアルバムだ。さらに教育現場で民謡が珍しく注目され、“南中ソーラン”の出発点となったツッパリでも踊りたくなる曲が(1)だ。
83年のシングルから、86年のアルバムまで。これまでのベスト盤には収録されていない曲も含めた選曲、曲ごとの詳細な解説、見開き紙ジャケなど、ていねいなつくりがなされている編集盤。資料としての充実度も含め、当時のファンなら買う価値はあり。
バップ名物の“ミュージック・ファイル”の流れで作られているので、タイトル通り、グッとコアな選曲になっている杉山清貴のベスト。もろもろの資料、解説も充実。洗練されてるけどどこか懐かしい、気分はもう80年代末。ジャケットがゴチャついてんのも気分か。
最近はギター・ポップ・バンドが若い女のコたちの間で人気だそうで、これが1stとなる彼らもそのなかのひとつ。全曲英語詞でパンクっぽい側面もあるサウンドは意外に垢抜けてはないけど、その反面ポップのツボをわきまえてるところがカッコよろし。
この第3弾は金丸義信、ウルフ・ホークフィールドのテーマを初収録、そして浅子党の新テーマと井上雅央のテーマのニュー・ヴァージョンも収録した究極のベスト盤。これ聴いてると音楽がいかに人の気持ちを奮い立たせるモンなのか良くわかります。
あの『アニメタル』シリーズで一躍時の人となった坂本が、以前ヴォーカリストとして活躍したアンセムの解散後に結成したバンドのコンピレーションで、コンチェルト・ムーンの鳥紀史らが参加。全曲リマスタリング、新録・未発表曲3曲追加。
やっぱり東北以北の泥臭い力強さと高域の強さが魅力です。地に足がついているというよりも、地に足がめり込んでいるような踏ん張りぐあいがたまりません。とは言え、(4)や(10)みたいな歌唱もできるところが彼女の良さですね。余裕といったところでしょう。
小林克也がスネークマンとしてカムバック。ペンパルズやシルバー・フィンズ、サムシング・ワンダフルも参加した、ギャグと音楽のオムニバス形式のアルバムだ。スネークマンズ・バンド名義のカヴァー曲における悪意のないレジデンツ的な歪みが印象的。
20周年アニバーサリーを“カニバーサミー”とシャレて、あまつさえジャケットにカニばさみ。これでいいのだ。多分。井上鑑による新アレンジで過去の名曲を再録したモノの第2弾。窪田晴男など錚々たる面子によるバッキングと程度にダレた所さんの歌声の妙。
なんてこったい全日本! ゴールデン・タイム、およびこれまでの全日を見ていた人にはたまらない珠玉の数々を…。音楽的見地から覗いても坂本龍一、ピンク・フロイド…と枚挙に暇がなく、しかも数々の名勝負がフラッシュ・バックする至高の1枚だ。
今注目すべき若手のホープ(!!)は数多けれど、彼らペンパルズも例外ならず。全英詞ということもあってブリットポップ直系感は拭えないけど今後の可能性は大。中でもこのノリで渋いスライド・ギターをブチ込んじゃう(3)のセンスが好きだし、耳に新鮮だ。