発売元 : 株式会社バップ
全編英語で歌われ、音はオルタナ系、ほとんど一発録りという手法自体は今どき珍しくないにせよ、3人はまだ大学院生というプロフィールにヒネクレ加減と可能性を感じる。好きなことを好きに演ってて楽しそうだけど、あと一歩突き抜ければもっと凄いはず。
Epic時代の音源に、アルフィーの坂崎幸之助との再レコーディングおよび新曲を加えたややこしい選曲。坂崎と組んだ曲にフォーク色が強まるのはまあ当然か。植木等からの影響を窺わせる[1]-(10)が、いつもの軽い笑いに流されすぎずおもしろかった。
売れっ子ギタリスト、吉川忠英と人気アレンジャー、井上鑑の2人が織り成す和みのインスト集。それぞれがCMに提供してきた楽曲などをごくシンプルに料理。タイトル通り、(2)は「午後ティー」のCMでおなじみのあの曲。吉川忠英の生ギターのうまさが光る。
半年ぶり、6曲入りのミニ・アルバム。窪田晴男、井上鑑といった豪華なミュージシャンの好サポートを得て、所さんがいつものノリで歌(お話?)を聴かせてくれる。何よりも気負いがなくて6曲全部すんなり聴けちゃう親しみやすさがいい。その辺が狙いかな。
洋楽カヴァー・シリーズの第3弾。いずれもポピュラー・ミュージックの名曲ばかりだけに、ほかの歌手によるカヴァーも多く、歌い手にとってはプレッシャーも相当なものだろうが、大橋の伸び伸びとした歌声が心地好い。実力のほどを十分に発揮している。
シティ・ミュージックの流れをくむフュージョン系のヴォーカリストには、あまりよい状況とは言えない昨今だが、やはりこういう“歌える人”が元気でいてくれないとつまらない。じっくり耳を傾けても何気なく聴いていても、どちらでも満足させてくれる。
ライター杉山達くんの妹も待ち望んだ6年半ぶりの新作アルバム。アルフィー坂崎とのなつかしいコンビによる、なつかしいネタもあるしね。バカらしい歌が成熟していることに、6年半の歳月が。井上鑑の緻密なアレンジに、ノベルティへの愛情感じます。
『太陽にほえろ』をはじめ、のめりこんだ数々のドラマと共にその名を刷りこまれたワタシ。コンポーザーの横顔が垣間見れるセルフ・カヴァー・アルバムは、78年発売のLPがメイン。インパクトある“音”の顔とは異なる、柔らかな、やさしい湿気のある声にビックリ。
(1)の印象があまりにも強すぎて、損をしている面があるかも知れない。古色蒼然たる世界を歌い続けていると言ってしまえばそれまでだが、カラオケではまだまだ根強い支持を得ていることは事実だ。そこに作品としての生命力を感じて、素直に頭を下げてしまう。
文字どおり大橋純子ボサ・ノヴァの名曲を歌うといった内容のアルバム。持ち味が歌い上げていくタイプのヴォーカリストだけに、オリジナルの気怠い情感ではなく、彼女は軽快にして派手めの印象を与える歌にしている。だから大橋純子なのだと実感させる。
キム・ヨンジャの7年間の軌跡、全16曲。クセのない歌い方が逆に、演歌の本流の味を感じさせ、最後までスンナリと聴いてしまう。ここまでまとまってしまうとかえって、もう少し臭味が欲しくなるのは聴き手のわがままだろうか。とはいえ安心して楽しめる人だ。
アルバム『フィーリング・ナウ』でデビューして以来、大人の恋を歌い続けている純子サン。デビューからもうウン十年も経っているのに「ペイパー・ムーン」や「シンプル・ラヴ」を歌っていた頃の瑞々しさは今作でも変わらず。大人のためのソウルってやつだ。
気分はマウイかオアフか、といった感じで徹底して爽やかなムードで包み込む。まるで南の島の風が頬をなでる感じで、地図を広げたくなる。しかも、憧れと現実を至近距離で交錯させる。その辺の技量というか、庶民感覚がこの人の持ち味だ。(1)のコーラスが絶品。
84年作品の廉価再発。今聴くと、サーカス・スタイルのコーラスを活かそうとしてはいるものの、肝心の楽曲が地味な気がする。しかし、オリジナルの発表年はもちろん作詞/作曲者のクレジットもされていないのには、再発に対する愛情が感じられない。