発売元 : 株式会社ミディ
日本のスティール・ギターの第一人者のソロ・アルバム。ほとんど一人で録音されたサウンドは、本人によるジャケットやタイトルから想像できる通りの静かな空気を内包している。本来はリラックスして聴くべき音楽なのだろうけど、なぜだか肩が凝ってしまった。
2作同時リリースの意図は“使い分け”。本作は従来の色調強く、されど抽象性とそこからの拡がりは過去に類を見ない。サイケ感高まった先行曲(7)が1曲1枚の変則シングルだったのも論理上では納得するも、感覚は即時的に無間地獄に陥る。濃密な時間の貫通に何を見る? ★
2作同時発売の方われ。マイナーなメロディが印象的なスロー多めの静かなアルバム。ほかの人(たとえばママ・ギタァのジュンちゃん)の歌う坂本作品が聴けたり、シンプルな音で曲の芯をあらわにしたものが多く、ゆらゆらがいかにポップがあらためて感心。
宮藤官九郎ら劇団“大人計画”のメンバーにより結成されたロック・コント・バンドのセカンド・アルバム。大杉漣の次にその名前かぁ!! な名曲(6)はじめ、宮藤作による男子心刺激しまくりの歌詞が最高。ナンバーガール(当時)の向井秀徳歌う長渕剛調ナンバーは出色。★
坂本龍一が1981〜84年に制作したCM音楽を19曲。CM音楽は、究極の商業音楽であると同時に、制作者にとってはいろいろな意味での実験の場にもなる。クライアントの要求のなかで、新たな坂本ワールドの芽がヒョコッと顔を出している箇所もあって、興味深く聞ける。
80年代前半に作られた、坂本龍一のTV番組のテーマ曲、未発表のインストゥルメンタル作品、同じく未発表のコンピレーション・ワークスを集めたアルバム。11曲目の「Snake & Lotus」と13曲目の「82.7.7 Yano Music No.1」が未発表曲。
トリオ編成によるロック・バンドの2枚組アルバム。今どき貴重なほどストレートなロックを演奏していて、とても今どきのレコードとは思えない。数こそ知れないが確実に需要のある音楽なので今後ともがんばってもらいたい。平井堅との競作DISC-2の(6)は蛇足。
自主制作した5枚組限定版に続き、そのメジャー盤として企画されたアルバム。しかし、全曲新録音6曲の新曲という、まったく別の作品に仕上げられた。ちいさなオルフェに始まり30年以上のキャリアを持ちながら、金森幸介のうた、スタンスは変らない。
巷のショボクレ・イメージとは正反対、どうしてこんなに元気なの? と言いたくなる団塊世代R&Rの代表がエンケン。年齢を重ねるにしたがってスピード感が増し、頭の血管が切れそうなくらいリキ入ってます。今回はバックも50代が顔をそろえ、迫力倍増の世界が展開される。
東京とイギリスで録音されたニュー・アルバム。東京では太田裕美、ピーター・ハミル、大熊亘(シカラムータ)、ヤドランカ、上野洋子らが、イギリスではデヴィッド・ロードらが参加し、ブラジル、中国、中世ヨーロッパなどをモチーフにした独自の音世界を構築。
第二のはっぴいえんどといわれた4人組の、75年に制作しながら御蔵入りになっていた幻のセカンドの発掘盤。フォーク・ロック/カントリーを基調にした清潔感あるサウンドと、都会の片隅に流れる叙情を滲ませた歌詞が、懐かしさ伴う爽やかな空気を運んでくる。★
前作に続き荒木飛呂彦のイラストがジャケットを飾るSUGIURUMNの新作。ゲスト・ヴォーカルに椎名純平、真城めぐみらを迎えたクールでいて肉感的なテクノ。以前から正体が気になっていたのですが元エレクトリック・グラス・バルーンの杉浦氏でした。