発売元 : 株式会社ミディ
1年に1曲のペースでクリスマス・ソングを作っていた故・西岡恭蔵は、12曲になったらクリスマス・アルバムを作る約束をしていた。その西岡恭蔵が97年12月16日にバナナホールで行なったクリスマス・ライヴが、10曲入りのクリスマス・アルバムとなって登場。
ほとんどリミックス・アルバムの趣だった前作の収録曲を、ライヴで演奏したもの。だがここでも、音全体をコンプレッサーで押し潰したような過激な加工を施していて、きわめてダーティでノイジィな音に仕上げている。この時点での彼ららしいアヴァンギャルドな作品だ。★
元ディランIIの大塚まさじが83年に結成していたバンドの未発表デモ音源6曲と、88年に自主盤LPとしてリリースされた音源5曲のカップリング。塩次伸二らとのラブ・コラージュ、長田和承らとの屋上のバンドともに、埋もれていたのが惜しまれる充実作。
83年10月に六本木ピットインで行なわれた西岡恭蔵とハーフムーン、大塚まさじとラブコラージュの二つのバンドによるジョイント・ライヴ盤の復刻。西岡&大塚のデュエットによる「プカプカ」「サーカスにはピエロが」も収録し、ほのぼのとしたなごみに包まれる。
世界遺産の観光地、麗江を中心に暮らしている中国雲南省の少数民族、納西(ナシ)族は、世界最後の象形文字の使い手として世界中の注目を集めている。本作はそんな彼らの間で歌われている伝統民謡を採集し、デジタル・ビートで再構築して聴かせてくれる。★
男女デュオ・ユニットの通算3作目となるメジャー・デビュー・アルバム。ふたりが挙げるフェイヴァリット・ミュージシャンにアメリカン・シンガー・ソングライターの名があるが、土臭さとスケール感のあるこのアルバムのサウンドを聴けば、納得がいくはず。
日本のスティール・ギターの第一人者のソロ・アルバム。ほとんど一人で録音されたサウンドは、本人によるジャケットやタイトルから想像できる通りの静かな空気を内包している。本来はリラックスして聴くべき音楽なのだろうけど、なぜだか肩が凝ってしまった。
2作同時リリースの意図は“使い分け”。本作は従来の色調強く、されど抽象性とそこからの拡がりは過去に類を見ない。サイケ感高まった先行曲(7)が1曲1枚の変則シングルだったのも論理上では納得するも、感覚は即時的に無間地獄に陥る。濃密な時間の貫通に何を見る? ★
2作同時発売の方われ。マイナーなメロディが印象的なスロー多めの静かなアルバム。ほかの人(たとえばママ・ギタァのジュンちゃん)の歌う坂本作品が聴けたり、シンプルな音で曲の芯をあらわにしたものが多く、ゆらゆらがいかにポップがあらためて感心。
宮藤官九郎ら劇団“大人計画”のメンバーにより結成されたロック・コント・バンドのセカンド・アルバム。大杉漣の次にその名前かぁ!! な名曲(6)はじめ、宮藤作による男子心刺激しまくりの歌詞が最高。ナンバーガール(当時)の向井秀徳歌う長渕剛調ナンバーは出色。★
坂本龍一が1981〜84年に制作したCM音楽を19曲。CM音楽は、究極の商業音楽であると同時に、制作者にとってはいろいろな意味での実験の場にもなる。クライアントの要求のなかで、新たな坂本ワールドの芽がヒョコッと顔を出している箇所もあって、興味深く聞ける。
80年代前半に作られた、坂本龍一のTV番組のテーマ曲、未発表のインストゥルメンタル作品、同じく未発表のコンピレーション・ワークスを集めたアルバム。11曲目の「Snake & Lotus」と13曲目の「82.7.7 Yano Music No.1」が未発表曲。
トリオ編成によるロック・バンドの2枚組アルバム。今どき貴重なほどストレートなロックを演奏していて、とても今どきのレコードとは思えない。数こそ知れないが確実に需要のある音楽なので今後ともがんばってもらいたい。平井堅との競作DISC-2の(6)は蛇足。