1993年9月25日発売
福田眞純3部作の第2弾。「3枚そろわないとわからないかもしれない」(タスキのアオリ)って、そうなん? 心が指し示すままに歌っているのはよくわかる。(2)や(7)など、今風のプロテスト・ソングもサラッと聴かせる耳当たりのよさがちともどかしいゾ、と。
新人ギタリストによる心地よいメインストリーム・ジャズ作品。ブライアントはオーソドックスな演奏の中に、モダンなハーモニーも持ち合わせたなかなかのテクニションだ。ケニー・バレルを思わせるスタイルは、ブルージーな響きも有していて好感が持てる。
このところあまり動向の聞けなかったブラウンだが、同時に録音された前作とこの作品を聴く限り、彼は相変わらず叙情性豊かな創造的演奏家であるようだ。フリーな演奏を目指しながら、ここでのブラウンは実にシンプルかつ説得力あるプレイを披露する。
井上道義とモーツァルテウムsym.1971年の録音。オーソドックスで安定した気持ちよい演奏。ポイントが的確におさえられている。足りないとすれば、たとえば35番のアンダンテにちょっとエクボがほしいというようなことかな。録音は71年相応のもの。
1924年イタリア生まれのグッリは、颯爽としたテンポで歌い、美音を思い切り放射するタイプの奏者。2曲とも決して超の字がつく名演ではないが、そこそこに楽しめる。音質はややキメが荒いが特に気になるほどではない。録音年不明。
たった千円で買うのが申し訳なく思えてしまうような素敵なモーツァルトである。ソリストもオケもよく歌うが、イタリアの奏者にありがちな浅薄さはなく、品位と説得力に満ちている。アンサンブルも見事。録音もアナログらしい暖かさで、快い。
CDのクレジットが、クラウディオ・アドバ指揮となっているのは、アバドの間違いだろうか。それとも別人なのか。または、何かの事情でそうなったのか。録音年代もついていないが、若い頃のアバドの演奏か? 雑なところがあるが、音楽は生き生きしている。
ソロになって丸16年。2001本目の記念コンサート3枚組。単純に計算して3日に1回ですよ。すごいお方。詳細なリストはもちろんついている。生ギター3本とパーカッションを基本にじっくりと。絶妙トークも収録だ。結構、野太い声援が飛ぶあたりいとおかし。
エルヴィスが取り上げた(1)、ブルック・ベントンやランディ・クロフォードが歌った(4)の作者で、スワンプ・ロック・ミュージシャンのベスト。ブルース、R&B、ソウルの影響を受けた南部独特のアーシーなサウンドを聴かせる。ギターも実に味わい深い。