1994年10月25日発売
白人バップァー、アル・ヘイグは決して派手なプレーヤーではない。しかしそのリリカルで味わいのあるプレーは日本人好みと言えるだろう。特に後期の演奏はその傾向が一層強くなった。本作もバップスタイルの(1)からソロの(5)まで多彩な音世界をきかせる。
熱いリズムが躍動したルー・レヴィ・ピアノ・トリオ。熟練したテクニックと、洗練された感覚が程良くMIXして織り上げられた上質もの。決して派手ではないが、渋く、そしてしっかりした手応えのあるソロが聴けます。
タプスコットは60年代初頭、西海岸で地域の音楽的指導者として活躍した伝説のピアニスト。その実力と真摯で哲学的なスタイルは、これまで紹介されることが少なかった。本作はトリオというポピュラーな編成、ユニークな彼の音楽性を知る格好の1枚である。
ファースト・アルバムで『メインストリートのならず者』の返歌を大胆にやってしまった、清々しい屈折ねえさんの2作目。歌に対する素朴な欲望がおおらかな個性となって結実している。ガサツな演奏にも説得力がありあり。妙にキバらないのも魅力。
ヘヴィ・メタル/ハード・ロック系バンドの、ミディアムからスロー・テンポのバラードには、結構いい曲があったりする。その代表は本作にも収められているMR.BIGの(10)。コンサートで聴かせどころのバラードが13曲、聴き応え十分、うれしい企画盤です。
ジミー・スミスとの〈キャット〉で有名なシフリンは、実は作編曲家、映画音楽作家としても奥行きのある逸材。それが今急遽奮起したプロジェクトがこれだが、マイルス追悼のメドレーに意志を集約しパワー全開。グラミー委員会好みの大作主義が満載だ。
吉田仁と竹中仁見の男女デュオ・グループ、SALON MUSICのムーン・レコード移籍第1弾アルバムはそれぞれの作詞作曲による10曲を収録。不思議な優しさと包みこむような静けさを持った2人のメッセージがサウンドとなって流れ出す。
前作から約1年半ぶりの本作は、スタジオ・マジックを徹底的に追究した珠玉のポップ・ロック集。時代を超えた無国籍音楽。個性を超えた匿名的音楽。左脳の論理的認識を混乱させる右脳音楽。ロン&メイルのラッセル兄弟(スパークス)も参加した名盤。
モデルである甲田益也子と木村達治によるディップ・イン・ザ・プールの、アナログ盤の1stと2ndに未発表曲の2曲を加えた編集盤。ゆったりと流れる河のようなサウンドと、その流れに身を任せている小舟が甲田のヴォーカルか。
ディップ・イン・ザ・プール初のフル・アルバム。すっかり“ヴォーカリスト”らしくなった甲田益也子の歌を全面的にフューチャー。プロデューサー・佐久間正英、ミキサー・M・ツェマリングの仕事振りも素晴らしい。ヨーロピアン・ポップのファンに推薦。