1995年10月21日発売
早稲田の現役である5人組♂コーラス・グループ。ヒップホップ・スタイルを取り入れた音に乗せ、全員が入れ代わり立ち代わりリードを取りつつハモるのが基本。この世代によるこのオリジナリティは唯一無比かも。歌詞が過激であればさらに面白いと思うが。
60年代半ばの演奏。80年代のウィーン・フィルとの録音がウィーン流のスタイルをとり入れたものであったのに対し、この演奏は正に「バーンスタイン流のモーツァルト」。特に40番の終楽章にバーンスタインのモーツァルト解釈の原型を聴く思いがする。
オーマンディの演奏はことさら深刻でもないし思索的でもないけれど、だからといって底の浅い音楽ではない。音楽のあるべき響き方を求め続けた指揮者といえる。「英雄」の正当的な表現にそれがよく表われている。バーンスタインの「レオノーレ」も鮮烈。
オーマンディといえば、デザート専門みたいな扱いを受けているが、メイン・ディッシュだって凡百の指揮者の及ぶところではない。オケをあやつる腕は確かだし、決して悪どい味付けをしないところがミソ。スコアの改変には時代を感じるが、清朗な良さがある。
(1)は小澤初期の録音で、世界初CD化。これはオーケストラがそれほどうまくはないし、録音もシャリシャリ気味だが、演奏そのものは後年のものよりもいい。こっちの方が音楽の流れがに勢いがあるのだ。(2)のミュンシュは後半になって本領が発揮されている。
オーマンディはチャイコフスキーを得意にし、「悲愴」は5回も録音していた。ここで聴かれるのは3回目の録音。雄渾な棒さばきでフィラデルフィア・サウンドを駆使して、シンフォニックな魅力を表出している。この価格で価値ある演奏が聴けるのはうれしい。
18世紀当時の雅びな宮廷音楽を再現すべく、打楽器を取り入れるなど様々な工夫を加えて演奏されている。木管楽器や打楽器の入った部分はなかなか鄙びていて、素朴な暖かい響きがするのだが、金管楽器の活躍する部分は結構荒く、雑然として聴こえる感あり。
3曲とも演奏団体が異なるが、総じて明るく、弦楽器の光沢のある豊かな響きが典雅な雰囲気を醸し出している。モーツァルト2曲はやや旧タイプの正統的な演奏だが、「四季」には時々「ンッ!?」と思う瞬間があり、結構侮れない(特にチェンバロ)。
59年収録とは思えないほど新鮮な音。ワーグナーの音楽の中には、明・暗の二面性が混沌としているが、明の部分に光を当てた演奏なら何といってもオーマンディだ。フィラデルフィアoをフルに鳴らした豊麗なサウンドの世界は、いまだに輝きを失っていない。
58,63年の録音だからハイファイとはいかないが、音色的にはとてもきれいで十分幸せになれる。ストコフスキー、オーマンディの長期政権で確立されたフィラデルフィア・サウンドと細部までみごとにかみあうアンサンブル。1000円は絶対にお買い得。