1995年11月発売
自作自演の作詞家生活30周年記念盤。決して巧くはないが、ちょっぴりハスキーな声に何とも言えない味がある。作詞家が詞を書いたときの心情は、シンガー・ソングライターは別にして、歌手によって演じられるわけで、そのあたりの欲求不満もあったか。
サッチモのトロンボーン版みたいな愛嬌を感じるのがディッケンソン独特の奏法である。ビッグ・バンドを渡り歩いた彼が56〜57年ごろリーダーとして初めて録音したもの。リズム・セッションの仲間を集めた気楽なプレイだ。この雰囲気は渋好みに受けそう。
長年カウント・ベイシー楽団でトランペット・セクションの要を務めたジョー・ニューマンの作品。アンサンブル重視の4管と典型的クインテットによる2セッションからなる構成。どちらもベイシー色の強い好演だが、ディスク・コピーによる音質が問題。
スウィング時代に大活躍した白人クラリネット奏者、ピー・ウィーの53,54年の演奏の初CD化。いわゆる“中間派ジャズ”の楽しさをタップリと教えてくれる演奏が詰め込まれている。50年代前半とは思えない音の良さも、演奏をさらに際立たせている。
とてもスウィンギーでわかりやすいトランペットをふくのがルビー・ブラフだ。その彼がさまざまなバンドと演奏した51年からむこう5年間にわたる活動を抜粋したのがこのアルバム。彼を強力に支えているピアノのジョージ・ウェインの軽やかなプレイも聴き物だ。
(2)は2年前、マルが広島の原爆資料館で目にした詩に曲をつけたもので、この曲と(3)は広島でのコンサート・ライヴ。(1)(4)はスタジオ録音。編成はジーン・リーとのデュオ、そこに天田透のflを加えたトリオの2種。平和への切なる願いをこめた祈りの音楽。
ギトリスは22年イスラエル生まれの名手。来日とあわせて録音も出てくるようになって、やっと身近な存在になった。とにかく超絶技巧の持ち主で、それを楽しんで弾いているようなところがなんたってすごい。歳は取ったがスーパー・ヴァイオリニストだ。
ホヴァネスの40〜50年代の作品。カバーの分類には「現代音楽」となっているが誤解を与えそう。ほとんどポピュラーなみの親しみやすさ。独得の透明感と、弦の音色、和声が昔のタンジェリンドリームのよう。何となく神秘的ムード。どの曲も似てるけど。