1995年1月発売
やっと1枚目やっと1枚目
友川かずきのファースト・アルバム。シャレや面白おかしい風刺だけで歌にしていく、というやり方とは対極の世界にいる。何の飾りもなく、自分をそのままぶちまけるところに彼の歌の“命”がある。黙って感じとり、それをある瞬間に爆発させているのだ。
うたがたりうたがたり
時の流れが今よりユッタリしていて、考えたり見つめたりする時間がもっとあった時代を思い出す。うたい方も音の造り方も、これでいいのかしらって心配になるくらい素直で、耳も心も洗われる。90年代、こういうタイプのシンガーは一体どこで生きているのか。
少年少年
ブルース色の濃い演奏を展開するソー・バッド・レヴューをバックに歌う金森。大阪のフォーク・シーンで活躍した金森ならではの詞を、意外なほど重く感じないのはその甘さをもった歌声のなせる技だった。石田長生の編曲の軽妙さといい、みな若かった。
青春旅情青春旅情
77年6月発表のベスト・セレクション盤のCD化。迷曲「赤とんぼの唄」「魚屋のおっさんの唄」「出血の唄」などはライヴ・ヴァージョンだ。だからこそ笑えてしまうってやつ。フォーク・デュオとしてじっくり聴かせていく歌がありながら、それがかすんでる。