1995年4月25日発売
快調快調。あなたもあたしのファンになってねっていうひたむきさがクッキリ出ているにもかかわらず、上昇志向が見あたらないのは性格のゆえか。「STAR」をメインにヒット曲満開。ちょっとスペクターの「10月のクリスマス」は名曲。
作詞に全員女性を起用し、これまでのアルバムよりほんのちょっと大人っぽさを強調。背伸びした感じがさりげなく出ているのがいい。そこらへんのつたないイメージと重なって、不思議なメルヘンを感じさせる。
(1)のアレンジは井上鑑。サビに移る部分がちょっともたつくけど、いつにない名アレンジだ。このコのまわりだと、どのスタッフも気張っていい仕事をする。同業のアイドルが妬んだわけだ。カネボウCMに抜擢されるに十分なHっぽさも。
1985年デビューし「翼の折れたエンジェル」で一躍女性ロッカーのトップに踊り出た中村あゆみのサード・アルバム。「真夜中にランナウェイ」他全8曲を快調な波に乗り、目いっぱいのパワーで突っ走る。ハスキーな声も彼女の魅力。
たとえ自作曲でなくとも、実に自然に自分のものとして体現できる。そんな作品に恵まれてきた彼女、プロデューサーでもある高橋研に続いて、本作ではエコーズの辻仁成(当時)が詞曲を提供。これがいい。内省的な(ところもある)もうひとつの顔が見えてくるアルバム。
初のセルフ・プロデュース、インスト収録など、話題が多かった作品。音楽的にも、シンセサイザー類を含めた新しい方法論を導入し、バラエティに意欲的に取り組んでいる。曲によってはヴォーカルの不安もあるが、新しい扉を自らの手で、という試みは買える。
歌唱の幅は相変わらずあまりないけど、“肝っ玉おねえ”ぶりがそれを補って余りあるあゆみサン。前作に続く全曲自作詞で、ヴォーカルのノリにも若干の前進が認められるし…。結局すごーい母性的だってことが、ムリのなさを生んだ?
仙道敦子、11年前の貴重な1枚。ボスッ、ボスッと鳴るドラムや、なんとなくフュージョンな感覚が当時のアイドル歌謡っぽくて懐かしい。曲調がバラバラなのも、「当時」っぽい。仙道さんの歌はキュートで悪くない。80年代“カルト”アイドルを研究している人向け。
3年ぶりにリリースされた仙道敦子のセカンド・アルバム。15歳から18歳へ、可憐な少女から豊かな感性を具えた大人の女性へと成長を見せる本作。CFソングにも使われていた「PASSION」のようなアップ・テンポの曲も情感たっぷりのスローな曲も歌いこなしている。
1986年は同年輩のおニャン子軍団らの大活躍の影ではっきり言ってヒットには恵まれなかったが、映画出演やアニメ主題歌など幅広い芸能活動の年であった。このCDにはデビュー曲「野生時代」から最新シングル「ガールフレンド」まで12曲を収録。
ディック・リー((3)、(4))や林哲司((5))の楽曲を含む、2年半ぶりの新譜。「共に白髪の生えるまで」というテーマの(1)と(10)が象徴するようにオトナの女性向けのAORとして完成度は高まる一方。半数近いLAセッションものを含め、オケがゴージャスなのです。
N.Yからやってきた若手と共に渡辺貞夫が久々に行った東京でのスタンダード・ライヴのアルバム。タイトル通り、ジャズのコンセプトの中でのびのびと演奏している。サポーターのひとりジェイムズ・ウィリアムズ(p)も秀逸。貴重なアルバムだ。
熱気あふれる、松岡のトロピカル・フュージョンが楽しめる。(2)では、ゲストの高中正義のギター・ワークをたっぷり味わえる。和製サルサの入門編としても最適。
ラテン・フュージョンの第一人者、松岡直也とレコーディング・グループ、ウィシングによるセカンド・アルバムで'79年12月の発表。作・編曲者である松岡直也のピアノ・ワークと共に、美しいメロディー・ラインに注目。
80年7月発表のアルバムで、ラテンの大御所テイト・プエンテらをスペシャル・ゲストに迎えてのセッションがあったり、松岡直也への評価をさらに高めた。ロック系ギターをフューチャーしながら松岡サウンドを作っている。