1995年6月25日発売
2ndアルバム『ランプリ』が大ヒットとなったベティ・サーヴァート、彼らの1stアルバムが本作。ボーナス・トラック3曲追加で、やっとの日本初登場。情感豊かなヴォーカル、きめ細かいメロディを軸に広がりのある展開を見せるのが彼らの特徴かな。
夏は暑いから、汗をかいてさわやか…という感覚もなきにしもあらず。そんな感覚をポップスにしたら、こんな風なのでは。ラテン系のノリの入ったパッションを少なからず感じるが、後味はさわやか。不純物が音楽に踊らされて、肌の毛穴から出ていくよう。
当時のレギュラー・クインテットによるケレンのない演奏は爽快そのもの。アンサンブルが見事、個々のソロもききごたえがある。ウェスト・コースト的センスを取り入れたイースト・ジャズ。(3)ではズートのヴォーカルも楽しめる。紙ジャケットが素敵。
デンマーク勢と共演したモンマルトルでのライヴ録音。原盤はデンマークのデビュー・レコード。和気あいあいのハード・バップ・セッションだが、参加者がみな熱演を聴かせるので、シハブも負けじとブロウの図式。20ビット盤、紙ジャケットが嬉しい。
グラッペリの洒落たヴァイオリン・ジャズを楽しむには最適な1枚。ハナ・トリオが粋も甘いも噛み締めたサポートを示し、そこにいぶし銀のようなグラッペリの音色が加われば、何が不足だと言えよう。極上のワインかブランデーを思わせる珠玉の作品だ。
50年代、大手RCAにアルバムを残したキング。これはその以前にストーリーヴィルに録音された隠れた人気盤。待望の初CD化。白人女性らしい清涼感溢れる歌唱は、最近の女性ヴォーカル愛好家の好みにピッタリ。コンボによる伴奏にも瀟洒な味わいがある。
パーカー派アルト奏者ウッズの本作は、ラテン系のバンドでも活躍するリンチをフロントに迎えた正統派クインテット編成。かつての相棒に捧げた(4)や、偉大なるベニー・カーターのオリジナル曲(3)などをとりあげ、その健在ぶりをしっかり伝えている。
94年暮れにアフリカを訪れた際、ダカールでスタジオ録音した作品で、実質上のリーダーはドラマーのシリル。この顔ぶれから想像できるとおりの真摯なジャズ。マレイとレイクのソロは60年代の熱い一瞬を思い出させる。ハイライトはコルトレーンの(4)。
かのオスカー・ピーターソンをして「3人のピアニストが弾いていると思った」と言わしめたジャズ・ピアノの開祖テイタムのスタンダード集。30年代の記録は音質上の問題を抱えているが、そんな質を度外視させられるほど音楽は雄大。天衣無縫の世界だ。