1995年7月21日発売
DISTANCEDISTANCE
様々な用途によって5タイプのセレクトが出来る本作は前作『タイム・ザ・モーション』に続いての舶来試行。まるで音のメルティング・ポットのようだがリスナー優先ではなくクリエイティヴ側の欲求解消気味。それでも、そっけない唱法ながら抑揚を加味できる天性。この才の輝きは進化。
FRONTIERFRONTIER
彼女のカッコ良さは、例えばダンサブルな曲で人間くさい「血」を感じさせる点かもしれない。あるいはタイトル曲のようなゆったりしたバラードで女性らしい「強さ」を感じさせる点かもしれない。そんな両面性を随所で楽しめる通算9枚目のアルバムだ。
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調「合唱」ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調「合唱」
生誕やら没やら、話題の多いクラシック界だが、この盤も、ハンガリー出身の名指揮者、セルの「没後20年」企画の1枚。溌刺としたテンポで小気味よく音楽をうたわせている。「第9」は、第4楽章ではじめて左右の広がりと奥行きを感じる…なんだか不思議。
シューベルト:交響曲第8番ロ短調「未完成」シューベルト:交響曲第8番ロ短調「未完成」
(2)にはセルが亡くなる直前、'70年のすばらしい再録音があるので(東芝TOCE7106)これは(1)をきくべきもの。透明でクリスタルな音色、一糸乱れぬアンサンブルは見事で、巷間いわれるほど、冷たい印象は与えず、名演だ。(2)は音像がモノ的で表情もカタい。
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ショパン:ピアノ・ソナタ第3番
滅多に聴けぬグールドのショパンが面白い。彼がなぜショパンを嫌ったのか。この演奏で彼は何をしようとしたのか。そしてそれは成功したのか、失敗したのか…。他の収録曲はグールド本来のレパートリーなので、ショパンとのコントラストが興味深い。