1995年8月発売
志ん朝といえば、四ツ谷にある某ふりかけ屋のCMやってる人でしょ? それくらいの認識しかない人はこのCDを聴くとよろしい。「芝浜」の魚屋、熊五郎といい、「百川」の田舎男、百兵衛といい、キャラクターが目に浮かぶ。明るく楽しい江戸前の落語なのだ。
「大山詣り」は81年、「粗忽の使者」は82年の三百人劇場でのライヴ。色気のある語り口、テンポのよさといい「大山詣り」は逸品もの。登場人物が若い衆ばかりに聞こえるのは、この時期の志ん朝ならではのもの。「大山詣り」はアルバム初収録ものだ。
どちらも81年4月17日、三百人劇場での高座。右肩上がりに加速がついた時期だけに、何とも言えないテンポの良さで、落語という話藝の魅力を十分に味わえる。『雛鍔』もそうだが、志ん朝演じるこまっしゃくれたガキのなんと活き活きとしていることか。
このVol.5には昔懐かしい吹奏楽の名曲が勢ぞろい。私たちが中学生の頃から演奏されていたような曲がたくさん入っている。きっと、今でも中学生バンドなど初心者には人気があるに違いない。こういう単純な曲こそ吹奏楽の原点。楽しい模範アルバムだ。
吹奏楽のオリジナル作品が集められている。録音は70年代から最近のものまでいろいろ。(5)を除いてあとはすべてアメリカの作曲家の作品。ハリウッドの映画音楽を思わせるような派手で親しみやすい曲が多く、シンフォニック・バンドの面白さが伝わってくる。
現代的なピアニズムによる見事な演奏だ。音量の変化も著しく、テンポの動かし方も巧妙。瞬時にして一変する鮮やかなタッチや、生命感溢れるリズムによって、陰影に富んだ音楽を構築する技量は本当に天才的だ。端正な(1)と鮮烈な(2)が好対照を成す。
単純なコードで次から次へと作品を制作し続けていた70年代後半から84年までのベスト選曲集。シンガーソング・ライター・コメディアンという独自のスタンスで下世話に世俗風刺する姿は、さだまさしと同じ土俵と解釈していたものでした。