1996年発売
昨年の神奈川芸術フェスティヴァルの一環として行なわれたグレゴリオ聖歌と聲明とのジョイント・コンサートのライヴ。この二つに音楽的な共通点はほとんどないが、ともに祈りの音楽として、ある種の安らぎと感動を生む力は共通してもっている。宗教の力かねえ。
ハードコアで、メタリックで、スラッシュの要素もふんだんに持つ、ブラッディ・イミテーション・ソサエティの2nd。とにかくゴリゴリにハードなサウンドだ。ギターの児島実は、元マッド・カプセル・マーケッツ→ダイ・イン・クライズという強者。
声楽を学ぶもの、とくに日本人にとってはトスティの名は忘れられない。豊かな感情表現を学ぶために、どうしても必要な作曲家なのだ。松本美和子が数年来取り組んできたトスティの集大成は、世界的にも貴重なアルバムといえる。その歌唱レベルの高さから、学習者にとってのすばらしい教材としてはもちろん、トスティの歌曲の魅力を多くの人に知らせることに貢献するのではないか。
N響ヴィオラ奏者を父に持つ梯剛之は18歳の全盲のピアニスト。当CDがデビュー盤となる。心が洗われるようなーという形容はこういう演奏のためにあるのだろう。人為的な解釈の存在をまるで感じさせない天使のようなモーツァルトだ。間違いなしの必聴盤。
バッハ・コレギウム・ジャパンを率いて精力的に活躍を続ける鈴木雅明の見事なオルガン。バッハへの深い敬愛に貫かれた演奏は端正な表現のなかに強い意志の力と情熱を秘めている。我が国における古楽演奏の水準の高さを改めて思い知らされる名演である。★
バンド・ブームの最盛期にデビューした“ビート・パンク・バンド”ピーズ。どーしょーもない、ふぬけ野郎の日常をチープな3ピースのサウンドに乗せる。その直情的な音の固まりに心臓を射貫かれた世のふぬけどもがライヴで大暴れする絵が浮かぶような5作目。