1997年4月23日発売
大バッハの長男として生まれながら、兄弟中最も不幸な人生を送ったヴィルヘルム・フリーデマンは、たとえばこのチェンバロ協奏曲集を聴いただけでも天才的資質を備えていたことがわかる。彼がもっと強い精神力を持っていたら……と惜しまれてならない。
バッハの次男カール・フィリップ・エマヌエルは、バロックから古典派への過渡期、いわゆる“多感様式”を代表する作曲家。ロンドン・バロックによる彼のトリオ・ソナタは、特有のギャラントな表情を過度にならずに表現する、精緻なアンサンブルで聴かせる。
大バッハの下から2番目の息子ヨハン・クリストフ・フリードリッヒの人生(1732〜95)は、そのままバロック期から古典派期への移行時代に重なる。この時代の面白さをもっと広く知ってほしいと思う筆者にとって、このアルバムの発売は嬉しい。
コアな部分を保ちつつ、さらに広い層の人間の耳を引き付けようとするブッダの意欲作。選び抜かれたループが次々と現れては消えていく、ひたすら気持ちいいトラックがとにかく秀逸。個人的にはニップスのラップ・パートが超好き。インスト「輪廻転生」も深い。
新録音11枚目。園田高弘のこの一連のシリーズは今、もっとも注目してよい音楽家の仕事のひとつだと思う。(まったく言うは易し、だが)余分なことは何もせず、足りないところはない。音楽の運びの確かさ、音そのものの魅力で飽きさせることがない。★
今回も衰えることなく、音も歌の言葉も、そしてヴォーカルそのものもトンガっている。もちろんすべて攻撃的だが、単に吠えるだけではなく、軽くいなして楽しく音楽する、気持ちのフットワークの軽さも感じたりする。キツイけど、楽しい作品。
ブラック・ミュージックのフレイヴァーを色濃く出す、シンガー・ソングライター和田弘樹の3rd。今回も細部に渡って練られたアレンジで、アーバン感覚いっぱいのカッコいいアルバムになっている。全体的にジャミロクワイに通じる部分を感じる。