1997年6月発売
“空想の音楽会”シリーズから、シャンティーイ城で実際に演奏された(かもしれない)狩の音楽などを集めた。うるさいくらいの狩猟ラッパの音が印象的な1曲目など、野趣溢れる中にも優雅な王侯貴族の楽しみを垣間みる1枚で、このコンピレーションは○。
パリの南西200キロ、ロワール河に面したトゥールの聖ガディアン大聖堂。プーランク自身がオルガンを弾きながら指揮したというその聖堂で録音された、そういう意味では空想ではないCD。プログラミングが絶妙で、演奏それ自体はともかく楽しめる。
フランスの名刹、ランス大聖堂に縁のある音楽を集めたディスク。作品は14世紀のアルス・ノーヴァからルネサンス、18世紀にわたる。演奏は皆充実したものだが、録音が音楽性豊かで美しい。30年以上も前の録音も素晴らしいが、リマスタングが見事。
ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂で鳴り響いたであろう、16世紀後半から18世紀後半に活躍した作曲家たちの作品が収められている。華麗なブラスの響きやバロック・コンチェルトが楽しめる。ただし、60年代の録音で、演奏はモダン楽器によっている。
北イタリアのボローニャで活躍した17,18世紀の作曲家の器楽から声楽まで多彩な作品が収められている。モダン楽器による演奏で、古楽器全盛の現在では、少し古臭く聴こえる。ただし、若き日のフレーニの歌唱やアンドレの演奏が聴けるのは貴重だ。
17世紀頃ウィーンの宮廷で皇帝の臨席に侍り、お抱え作曲家たちの供する音楽に身を預けてひとときを過ごす。そんな光景を空想して、詠み人知らずよろしくどこかの誰かが作った艶やかなバロックの響きにぼんやりと快楽するというのも、なるほど悪くない。
ザルツブルグと言えばモーツァルトの故郷。そこの有名なミラベル宮殿では、毎夜のように音楽会が催されたとか。このCDは、そうした当時にタイム・スリップして、いわばヴァーチャル・コンサートを体験しようというもの。ハイソな気分になれます。
1727年にウエストミンスター寺院で行なわれたジョージ2世の戴冠式のために書かれた作品で、ヘンデル自身の指揮で演奏された。この種の音楽にふさわしい壮麗な音楽で、中でも「祭司ザドク」は、以来、英国王の戴冠式で必ず演奏されるようになったという。