1997年6月発売
ブルー・ムーン・スワンプブルー・ムーン・スワンプ
実に11年ぶり。ドラム・マシーン全盛の80年代に彼らしさが十分発揮されたとは言えなかったから、なまなましい音像が再評価された現時点での復調をまずは喜びたい。ジャケットに象徴されるイマジネーションに富んだロック表現がとにかく素晴らしい。★
ソング・バイ・ヘイッキ・サルマント〜カルソング・バイ・ヘイッキ・サルマント〜カル
フィンランドを代表するキーボード奏者と“ニューヨークのため息”ことメリルの共演作。ストリング・オーケストラがバックについてシットリした味わいのヴァーカル作品となった。ほとんどがサルマントのオリジナルというところにも意欲が感じられる。
ビフォア・ウィ・ワー・ボーンビフォア・ウィ・ワー・ボーン
いつの間にか名前の日本語表記も変わってしまって、音楽のほうもベクトルの向きをあちこち変える人だ。しかし鬼才アート・リンゼイをはじめとする先鋭的な音のシャワーの中で、気持ちよさそうに自分の音を奏でるこの人は、やはりただものではない。
ランディ:聖アレッシオランディ:聖アレッシオ
バロック・オペラ一方の旗頭、ローマ派の巨匠ランディの埋もれていた代表作が音楽史の彼方から姿を現した。クリスティは若い声を集め、生気に満ちたドラマを眼前に繰り広げている。アレッシオの歌う第1幕のアリエッタなどため息が出るほどの美しさだ。
モーツァルト:歌劇「ドン・ジョモーツァルト:歌劇「ドン・ジョ
アーノンクールはいつも興味深い演奏で聴き手を感動、あるいは驚かせてくれるが、今回は普通の演奏で感動させてくれる。歌唱も伴奏もひじょうにすっきりしており、しかもていねいである。ひと言でいえば、垢と贅肉を落とした均質な演奏だ。新スタンダード。
空想の音楽会 1空想の音楽会 1
LP時代の好企画シリーズのCD復刻。その幕開けに選ばれたのが南仏の古都エクスの守護大聖堂における宗教音楽会だ。中世後期からフランス最高の合唱団を擁した同聖堂のミサの模様は、まさにルネッサンスの幻想を近世に伝える素晴らしいものといえる。