1997年7月25日発売
声楽レパートリーの充実に役者が揃ってきた古楽界、イギリスのというよりEUのアンサンブルとも言えるトラジコメディアの新作はマツォッキ(1592-1665)。17世紀イタリアの時代のコスモポリタンな雰囲気を、コスモポリタンな顔ぶれのアンサンブルが粋に料理。
プロイセン時代、レッスンを施したアマリア王女に献呈した6つのソナタを収録。アマリア王女のために製作され、1960年に修復再建したオルガンを使用している点も興味深い。アランの演奏は爽快かつ感情の起伏も大きく、作品の面白さを見事に伝えてくれる。
最近聴いた彼の日本でのリサイタルは“?”であったが、これはなかなかきれいだ。ジャケットは何やらきらびやかだが、その印象とは逆に演奏そのものは弱すぎる一歩手前くらいの柔らかい音色で、やさしくゆったりと歌っている。良質のBGMとしても好適。
『地獄先生ぬーべー』や『魔法少女プリティーサミー』などでおなじみの、笠原留美が送るソング・コレクション。透明感のある彼女の声質にあわせたヨーロピアン・ポップスは、実に耳心地よく彼女自身になる作詞とともに語りかけてくるアルバムだ。
元祖、巨乳アイドル、元祖、外人アイドル、元祖、モデルからアイドルへの転身成功例。そんなアグネス・ラムの1stアルバムが再発売。ハワイアンな音を意識した爽快なポップス・ナンバーがズラッと並ぶ本作。作家陣も加藤和彦、加瀬邦彦と豪華絢爛。
初代クラリオンガール。少しぎこちない日本語で歌っているところがたまらなくイイ。もちろん英語詞の曲も可愛らしく歌い上げている。切ないバラードもポップな曲もこなす彼女の魅力が満載のレアな1枚。ナイスなボディにこの歌声! 言うことなし。
70年代後半に絶大な人気を博したアイドルが73年にリリースしたアルバムにボーナス・トラック4曲を追加収録。当時の特典ポスターも封入されている。南沙織の(2)やあべ静江の(3)など他人の曲が多いのはあの頃のアイドルでは当たり前とされていた。
71年に発表された彼女の2枚目。ヒット曲「経験」のイメージは、ませた少女的なものだったが、これは“大人の女一年生!”な初々しさあふれる曲が大半を占めるピースフルな作品。60年代歌謡と70年代歌謡、両者のテイストを安井かずみの詞が筋を通す。
歳を重ねるごとにギラギラしてやまないルミ子嬢が、昭和46年に発表したデビュー盤の初CD化。その初々しく優しい歌声に巷の人々は魅了された。力量を問われる民謡も“うまい!”と唸らせる安定した歌いっぷりで披露。実力派はいつの世も強く、息が長いのだ。
藍の代表曲「ミカンが実る頃」意外をすべてほかの有名ヒット曲カヴァーで埋めた実はなぜかぜいたくなアルバム。アン真理子の「悲しみは……」から「あなたの心に」へ至る3連発は胸キュンという中年も少なくなかろう。もったり感が70年代前期。
あの大原麗子が78年3月にリリースした幻のアルバムの完全復刻盤。歌はもちろんウマかないが、雰囲気の出し方には凄いモノがある。湿った声から伝わる彼女の生々しい体温が下半身を直撃。オリジナルLPジャケットを再現した限定盤。
UAのプロデューサーとして一躍注目されいるようになった朝本浩文のユニットの久々のアルバム。タイトルのせいかもしれないけど、ダブやドラムンベースなどの要素以上に、ドラムのノリやパターンに、80年前後のジェフ・ベックっぽい感触がある。