1998年3月21日発売
ウィリアム・L.ギロックという音楽教育界に影響を与えた作曲家、彼のビギナーのためのピアノ小曲集だ。彼の理念がノーツに書かれているが、それはピアノだけでなく音楽全般に通じるもので、どんな立派な音楽家の言葉より信憑性があり、溜飲を下げるものだ。
アメリカの作曲家ギロック(1917〜93)のピアノ小品に対する伊藤仁美の深い理解を感じさせる。「子どものためのアルバム」と題されているように、全体的にさほどの難曲はないが、飽かずに聴き通させるには魅力ある演奏でないと無理。伊藤の演奏は楽しめる。
アメリカの優れた音楽教育者として数多くのピアノ曲を作ったギロックによる“ジャズ風の”小品集。初心者でも弾けるようなやさしい曲からは、ジャズやブルース独特のビートや表現を感じることができる。音楽する喜びを基本に作られた楽しい曲集だ。
ギロックに師事したアメリカの女性作曲家・ピアニスト、グレンダ・オースティンによるオリジナル作品の自演集。“CLASSY”(雑誌名にもあるよね)は“洒落た”“クラシック(音楽)の”という両方のニュアンスを持つ言葉とか。看板通りチャーミング。
生涯に1,000曲以上もの作品を残したヴィラ=ロボスは、子供向けのピアノ曲も数多く作曲した。どれもシンプルだが、ラテン的な魅力がキラリと光る素敵な小品だ。ヴィラ=ロボスを得意とする宮崎幸夫は、子供たちの模範となるていねいな演奏を心掛けている。
一般音楽教育に生涯情熱を燃やし続けたカバレフスキーのピアノ曲集。小林道夫が演奏するが、タッチもはっきりと明確で、こどもばかりでなく、大人にもよい手本となり、また楽しめるアルバムだ。標題も想像力をかきたて面白いが、豊かな旋律がまた楽しい。
マンドリン奏者が正式加入し、新編成となって初のアルバム。のびやかなワルツの(2)、素朴で温かみのある(3)、歯切れのいいリズム・アレンジが心地よい(6)など、伝統を感じさせると同時に若々しいアイリッシュ音楽を聴かせる。インストもポップな感覚あり。
日本語で歌われる讃美歌の見本ともいうべき演奏。訳詞も改訂版によりわかりやすくなった上、伴奏(オルガン)も編曲により刷新した印象。とりわけ管や打楽器を加えた(4)(14)(21)など楽しい。教会内の録音をしのばせる柔らかな響きが臨場感を高めている。
平沢進の曲を歌う(1)のなんと感動的なことか。それだけじゃない。作詞をみやむー自ら手がけた(2)のアンニュイな雰囲気や(3)のブッ飛び具合、オーケン詞による(6)の不可解さも文句なし。タダ者ではないと思っていたが、さすがに“みやむー魂”は奥深い。★
音楽だけに留まらないアート集団である彼らのライヴ・アルバム。ギタリストでありサウンドの要だったメンバーJAKE脱退前夜のNHKホールのライヴを収録したもので、第1期の集大成とも言えそうな内容。ビデオも同時発売だが曲数と収録曲が一部違う。