1998年7月25日発売
1ダースの男たちがまたまたやってくれました。すでにメキシコのバロック音楽は取り上げてはいるが、今回はラテン系独特のマリア信仰に基づく音楽。冴えた知性でアプローチしてくると思いきや、心の底からあふれる温かい気持ちをコーラスに仕立てて上々。
我が国でもそのユニークな存在が認知されつつある、全員男性によるアメリカのvoアンサンブル、チャンティクリアが掘り起こすバロック・メキシコの宗教曲。当時新大陸の音楽的中心地は当地であったということは目から鱗。歴史の息づかいが聴ける演奏だ。
名手イズビンの、テルデック移籍第1弾。サックスのポール・ウィンターをゲストに迎え、バラエティ豊かな演奏を繰り広げている。そのスゴ腕をひけらかすのではなく、心底音楽を楽しんでいる様子が伝わってきて、聴く側としても楽しい気分になる。
この1月来日し、また秋にはボローニャ歌劇場とともにやって来るホセ・クーラの、待望の2枚目は、なんと自作を含むアルゼンチンの小品ばかりを集めたもの。マッチョ系の声もここではぐっと抑えて知性あふれる歌唱。故郷への愛も織り混ざった会心の一枚。★
ヴィラ=ロボスは「ブラジル風バッハ」ではなく“バッハをまとったブラジル”に面白さがある。古典的な身だしなみの隙間から、土のニオイ木々のそよぎ酒場のざわめきや男と女のウズ巻く思いといった南の生理が滲み出る。好選曲だが演奏は何とも不感症。
見かけはビジュアル・ロック系の耽美集団という感じだが、サウンドはポップス色が強いプラスティック・トゥリーの3rdシングル。全編ファルセットのようなヴォーカルが、気持ち悪いような、クセになりそうな……。8月には2ndアルバムもリリースされる。
渚十吾プロデュースによる夏向けリゾート・ミュージック集。ライダーズ人脈多数参加。バッファロー・ドーターやトット・テイラーもいる。よくわかんないけど河相我聞もいる。ちょっとモンド、結構ビザール。でも品が良すぎて今ひとつグッとこないのです。